中等度以上の腫れぼったい若年性眼瞼下垂の治療
腫れぼったいタイプの若年性眼瞼下垂の方は、❷仮性眼瞼下垂で先天性(若年性)の4大要因の内、主に上眼瞼眼窩脂肪過多の要因が該当します。術前シミュレーションを施すと明らかに膨らみが増し、ボンレスハムの食込みの様な不自然な二重ラインになる中等度以上のタイプの方は、脱脂併用の新挙筋法を推奨します。シミュレーションや御本人様の御希望により脱脂の適応があれば、予定二重ラインの3等分点外側に3-4mmの横切開(最小限)を施し、上眼瞼眼窩脂肪を摘出します。医院によっては10mm前後の部分切開か全切開でなければ脱脂ができないところもあり、目立つ瘢痕になりがちです。また新挙筋法の技術がなければ「取り過ぎると窪むから」との理由で必要分を摘出しない医院もありますが、眼瞼下垂が充分に改善されません。取り残しの再摘出は難易度も費用も更にUPしてしまいます。
眼瞼下垂、全切開せずに治したい!
症例① 23歳 男性
他院手術歴:なし |
希望デザイン 腫れぼったい瞼を全切開せずに改善したい。奥二重が不安定なのを改善したい。 |
方法 両側 上眼瞼マイクロ切開脱脂術&新挙筋法2針4点固定法 |
Dr.コメント 上眼瞼眼窩脂肪過多が主な原因の眼瞼下垂の典型例です。眼窩脂肪の量はほぼ先天的に決定されていますが、稀にバセドー氏病で後天的に増大する方もいらっしゃいます。一方で他院では上眼瞼眼窩脂肪を取り過ぎるとクボミやタルミが生じるとの理由で、最初からあまり摘出しない医師がいます。一見良心的ですがそれは新挙筋法の技術を伴わない医師のコメントですので、それでは眼瞼下垂が充分に改善されません。他方で技術が拙くて摘出ができなかったり、できても10㎜前後の傷をつけられたりするケースもあり、当院で再摘出や瘢痕解除をすることもございます。脱脂と挙筋法は当院でこそ一期的にデザイン可能ですが、複合手術の場合には術後の予測をご本人様と共有できてその通りに実現できなければなりません。 |
症例② 21歳 女性
他院手術歴:なし |
希望デザイン 瞼の腫れぼったさと小さい目に長年悩んでいた。脂肪を抜いて腫れぼったい瞼を改善して、目尻切開せずにタレ目気味を修正しながら奥二重にしたい。 |
方法 両側 上眼瞼マイクロ切開脱脂術&新挙筋法2針4点固定法(左右で異なる挙筋度) |
Dr.コメント この症例は目の開きが小さいことに加えて、目尻が下がっていることを悩まれていた方です。このお悩みに対して、各美容整形外科医のコメントは、「上眼瞼の余剰皮膚を切除しなければならない」「目頭切開か目尻切開が必要」「眼瞼下垂の(全切開を伴う)挙筋前転法の適応です」など、旧態依然の技法に固執するのか複合手術で費用を吊り上げるかは別としても、恐らく十人十色の返答だろうと想像に難くありません。しかも全切開はハイリスクです。美容整形のカウンセリングに行かれる際は、その医師ワールドの中からしか返答が返ってこないことに留意して、貴方ご自身のご希望とマッチングしているのか、コストもリスクも最小限なのかを是非見極めてください。 |
症例③ 20歳 女性
他院手術歴 15歳時:両瞼埋没法 16歳時:右瞼のみ埋没法 |
希望デザイン 他院で受けた埋没法の二重ラインが取れかかっており、ラインも気に入らない。目が大きく開く様にしたい。 |
方法 両側 上眼瞼マイクロ切開脱脂術&新挙筋法2針4点固定法(左右で異なる挙筋度) |
Dr.コメント 目元の印象の約7~8割は上眼瞼の構造に依存します。日本人成人女性の眼球の大きさは、身長や年齢によらず直径の誤差が数㎜以内(一説には2~3㎜以内)であることを考慮すると、個性は眼球の大きさではなく、眼窩の配置と上下瞼の質(似顔絵で個性を出す要素)で決まるといっても過言ではありません。ここでいう瞼の質とは、皮膚のタルミ、二重ラインの位置と形状、睫毛の挙上度、眼瞼下垂の度合い、皮膚や皮下脂肪の厚みや眼窩脂肪の多寡、蒙古ヒダの厚みや形状、結膜縁(睫毛の生え際付近の粘膜面)の形状などのことを指します。もともとのご本人様の瞼の形状と、ご本人様が口頭で仰った理想とのギャップを埋めるための適正な術式のご提案こそが、究極のオーダーメイドだと当院は考えております。 |