瞼のクボミを伴う若年性眼瞼下垂の治療
上眼瞼のクボミを伴うタイプの若年性眼瞼下垂の方は、❷仮性眼瞼下垂で先天性(若年性)の4大要因の内、主に上眼瞼陥凹(眼窩脂肪過少)症の要因が該当します。術前シミュレーションを施すと、クボミがちょうどタルミで埋まる程度で済む場合には、新挙筋法のみで充分に治療が可能です。埋まらない場合には、上眼瞼に脂肪幹細胞を注入する手術適応になり、クボミを埋める以上の余剰皮膚があれば切除せずに上眼瞼マイクロ切開脱脂を併用すれば大抵治ります。若年性のクボミを伴う眼瞼下垂なら殆どの場合、脱脂や注入せずに良好な結果が得られています。
眼瞼下垂、メスを使わずに治したい!
症例① 29歳 男性
他院手術歴 27歳時:感染のため右結膜の一部を除去し、その後自然に右側だけ自然に二重ラインになってしまった |
希望デザイン 瞼の開きと二重ラインの左右差を改善し、西洋人の様に眉と目の間が狭く眉が前方に出ている様な顔にしたいが、クボミは無くしたい。 |
方法 両側 新挙筋法2針4点固定法(左右で異なる挙筋度) |
Dr.コメント 上まぶたのクボミを伴う若年性眼瞼下垂の典型例です。クボミが深いとなぜ眼瞼下垂になりやすいかと言えば、挙筋に連動する挙筋腱膜のリーチが比較的長くなり、上眼瞼眼窩脂肪との間で滑車の原理が働きにくくなるためではないかと当院では考えています。(事実、上眼瞼陥凹症の方の陥凹部に、僅かな脂肪やヒアルロン酸を注入すると却って開眼度がUPすることがあるからです。無論、注入過多では瞼が重くなってしまいますので逆効果です)弛緩または駆動が睫毛まで伝わりにくくなった挙筋腱膜を短縮し補強することができるのが、当院オリジナルの新挙筋法の本領です。適応が決まれば後は、二重ラインの位置と挙筋度を(左右差が最小限になる最大公約数デザインで)決めるだけです。 |
症例② 28歳 女性
他院手術歴:なし |
希望デザイン 睫毛の形に合った二重にしてもらいたい。できるのならついでに眠そうに見える目をぱっちりと開くようにしたい。 |
方法 両側 新挙筋法2針4点固定法 |
Dr.コメント この方は当初眼瞼下垂の自覚があまりなく、対面して話をする時や写真撮影時にいつも下アゴを前方に突き出すようなクセがありました。若年性眼瞼下垂の方は、生まれてから見えている景色の見え方が恐らく(最大限に開眼できる人に比べて)上方向に制限があるのではないかと思われますが、それが普通ではないことであるとは指摘が無ければ気づきにくいのだと思います。アーモンド形の睫毛の形に沿った二重ラインを形成するついでに眼瞼下垂も治療しました。ご本人様より「二重のクセ付けを依頼しただけでしたが、私の目が自力でこんなに開くようになるとは期待以上です。」とのコメントを戴きました。 |
症例③ 18歳 女性
他院手術歴:なし(アイプチ歴あり) |
希望デザイン 眠そうな重い瞼を軽くして、クボミと多重ラインを改善しつつ末広型のラインにしたい。 |
方法 両側 新挙筋法1針2点固定法 |
Dr.コメント この症例は慢性のアイプチかぶれで多重ラインがひどくなり、二重が定まりにくくなったのでご来院された若年性眼瞼下垂の方です。持続的な擦過刺激が続くと、上眼瞼の皮膚が荒れるだけでなく瞼の中の挙筋腱膜にも過伸展により次第に影響が出てきます。気づけば眉と目の間が伸びて、眉の力なしには最大開眼ができにくくなってきます。アルバイトで貯めた予算で1針2点固定をご希望されたため、(本来は2針4点固定の適応ですが)クボミとタルミと多重ラインと開眼度を改善させるデザインで施術をしました。ご本人より、「目が楽に大きく開くようになりました。もっと早くアイプチを卒業していたらよかったのに。」とのコメントを戴きました。 |