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オリジナル鼻孔縁下降&他院鼻孔縁下降術の修正 編

鼻孔縁下降術とは?

鼻孔縁下降術は、鼻の穴の縁(フチ、アーチ部分)を下方に進展させることによりフチの位置を下げる施術で、以下のような方へ適応となることが多いとされる術式です。

  • 鼻孔が大きい
  • 正面から見た際に鼻の穴が大きく目立つ、または鼻の穴が三角に見える
  • 鼻孔(縁)の形に左右差がある
  • 鼻先が上を向いていている

鼻孔縁の形状や挙上の程度等に応じ、担当医が選択する術式も様々ですが、従来法では鼻縁の上部を切開し、シリコン片を挿入する、耳介軟骨や肋軟骨を移植する、または皮膚を移植する等の方法が採用されていました。

しかし、上記何れの手法でも術後早期または時限的に硬化や変形、引き攣れや不自然な形状と質感、慢性疼痛や発赤等の合併症が一定の確率で生じ、感染や組織壊死、穿孔等の重篤な問題も少なからず起こっていた背景があり、この領域での(様々な問題が解消される様な)新しい技術が待望されていました。

症例① 36歳 女性

鼻孔縁下降術の修正-症例1
他院手術歴
 34歳時(2020年5月)
東京の形成専門医院にて両側外側切除式小鼻縮小術を受けた
 36歳時(2022年5月)
外側切除の瘢痕修正+上唇挙筋と頬筋一部にBOTOX注射をされた
希望デザイン
両側の鼻孔縁を下げたい。特に右側の外側切除の瘢痕が目立ち、傷の走行が直線的で笑顔時等で上方に引き攣れているのが気になる。
方法
完全CLOSE法にて当院オリジナル両鼻孔縁下降術(Sure Derm挿入)&右鼻翼基部ギャッジアップ瘢痕裏剥離Sure Derm挿入
Dr.コメント
2022年6月に右鼻翼根部瘢痕下の硬化した異常線維に軟化させる前処置を施して、2022年7月に手術をした症例です。一方、鼻孔縁に関して、この方は高校生の頃から(鼻孔縁を下げたくて)洗濯バサミで毎日矯正していた習慣があり、伸展度は申し分なく術前シミュレーションでも充分「下降」ができる程度でした。問題点として、右ほうれい線根部(貴族部)が左側と比較して深いためか右鼻翼根部も沈みながらやや上方に引き上がっていたので、鼻翼の形状の左右差も(当院独自の)ギャッジアップ法にて補正しました。直線的な右鼻翼外縁の瘢痕も、鼻孔内部からギリギリ剥離しながら人工真皮(Sure Derm)で補い、(瘢痕消失欠損鼻翼再生目的で)自然で丸い形状を形成しています。

症例② 40歳 女性

鼻孔縁下降術の修正-症例2
他院手術歴
40歳時(2023年2月)全国チェーン展開大手美容外科医院にて、鼻孔縁下降目的で右耳介軟骨を両鼻孔縁に移植された。
その後、右側の鼻孔縁のみ不自然に陥没して鼻腔内にしこりが突出したため、同年5月と6月の計2回、担当医により切開・縫合の処置をしてもらうも、これ以上は治せないと言われて終診となった。
希望デザイン
不自然で陥没した右鼻孔縁内側の形と鼻孔の左右差、鼻孔縁外側に硬く突出したシコリの様なものを治して欲しい。
方法
完全CLOSE法にて右鼻孔縁内残存移植軟骨除去&当院オリジナル鼻孔縁下降術欠損真皮再生(Sure Derm置換)
Dr.コメント
2023年9月に完全CLOSE法にて手術をした症例です。移植され残存していた耳介軟骨片は、既に壊死していてボロボロに崩壊していました。その壊死軟骨周囲に高度な線維化が併発して、鼻翼縁の形状を更に変形させていました。移植軟骨片を完全に除去してしまえばもっと陥没・変形してしまいそうな状況だったので、前医でも恐らく手控えた施術(切開して縫い直す)しかできなかったのではないかと推察されます。この様に、「鼻孔縁下降術」と称してシリコン挿入や(耳介軟骨や肋軟骨等の)自家軟骨移植をされても結局、硬化・変形・不自然な質感や違和感が持続or後遺障害として時限的に発症してくることも決して少なくなく、自然な形状や質感に修正することも非常に困難になります。

症例③ 32歳 女性

鼻孔縁下降術の修正-症例3
他院手術歴
有名美容外科医院でOPEN法にて鼻中隔延長+プロテーゼ挿入術
希望デザイン
小鼻(鼻翼上部)のクビレを浅くするか無くしたい。アグラ鼻(魔女鼻)に見えるのを改善したい。
方法
完全CLOSE法にて、鼻翼上部のクビレ線解消と鼻孔縁下降目的で両側鼻翼上部&両側鼻孔縁へのSureDerm挿入術
Dr.コメント
2015年2月に完全CLOSE法にて手術をした症例です。当時はまだ、「鼻孔縁下降」というワード自体があまり浸透していない時期でした(正直、当院でもこの系統の手術を「鼻孔縁下降」とは呼んでおりませんでした)。当院にて2008年頃より用いられていた人工真皮(Sure Derm)は適応範囲が広く、鼻翼や鼻柱・鼻背と並び鼻孔縁断端にも(真皮のあるところならどこでも)ある程度自在に(裏面から)挿入ができて、シリコンや自家軟骨と比較しても圧倒的に合併症が少ない特徴がありました。質感や形状の滑らかさも自然で、レントゲンには写らずアレルギーの報告例もありません。半年~1年程かけて完全に自己組織化する過程で若干目減りする欠点がありますが、その分自身の真皮に馴染みます
鼻整形修正 OPEN法の瘢痕と鼻中隔を完全CLOSE法で修正(鼻中隔延長or過剰延長の短縮)&表面に傷をつけない人中短縮or延長リスク・問題点・合併症とそれらの対策
1.合併症や副作用と軽減または予防法
  • 局所麻酔の副作用は、アレルギーと麻酔中毒(頭痛・嘔気・眩暈・呼吸抑制・意識混濁などの中枢神経症状)が殆どで
  • アレルギーは問診や皮内反応で対応でき、中毒は手術を中断した上で点滴治療をすれば通常回復します。
  • 麻酔による腫れがひくのに通常は数日間、炎症による腫れや内出血のダウンタイム(治癒期間) は平均2~3週間程度です。
  • 線維化による癒着、凸凹、シコリ、ツッパリ感などは、術後数ヶ月の内に自然軽快しますが遅延の場合には溶解注射で治します。
2.ごく稀な合併症
  • 内出血、感染(化膿)、などに対しては適切な注意事項と服薬等の遵守で予防します。
  • 創面の離解(または「し開」)や移植物・挿入物の創面からの露出が万一生じた場合には速やかに受診して下さい。
  • 感染が生じた場合(ごく稀)のダウンタイム(治癒期間)は更に数週間かかることがあります。また、挿入物にまで感染が及んだ
  • 時は抜去しなければ治らないこともございます。数週間~数ヶ月、治癒遅延が生じた方でも数ヶ月以内に自然軽快してきます。
3.禁止事項
  • 術前夜:アルコールを控えて下さい。
  • 術日朝:静脈麻酔を御希望の方は食事を控えて下さい。常用薬はカウンセリング時に服用是非をご確認しておいてください。
  • 術後2日~3日:入浴・飲酒・刺激物摂取・運動 ・洗顔や化粧(シャワーは翌日から可能です)
  • 術後2~3週間:クレンジング時の擦過、マッサージや殴打等
4.術後の必須事項とした方がいいこと
  • 術後3日~4日間 24時間は鼻ギプス(または必要時Retina)の装着必須期間があります。
  • 通常、7日後の抜糸が終われば早期合併症のリスクが大幅に減りますが、ギプスの追加装着をした方が望ましい場合もあります。
  • 手術後当日のみ:15分毎にクーリング(冷却) 15分毎と安静
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