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鼻孔過剰狭小化・鼻孔左右差の修正 編

症例① 26歳 女性

鼻孔過剰狭小化・鼻孔左右差の修正-症例1
他院手術歴
 19歳時(2012年)
中規模美容整形医院にてⅠ型プロテーゼ挿入+鼻尖形成目的で両側耳介軟骨を鼻尖部に挿入される
 21歳時(2014年)
同医院にて内外側切除式小鼻縮小術を受ける
希望デザイン
鼻尖部が細すぎて凹凸があり、右からと左から見た鼻の形が違う。鼻の穴の形の左右差が目立ち、特に左側で呼吸がしづらい。同時に寒冷刺激で鼻尖部に発赤が出現するのを治したい。シリコンを抜かずに鼻尖部の硬化したシコリを除去したい。
方法
1回目:完全CLOSE法にて壊死耳介軟骨片一部除去&
鼻背形成と鼻孔縁補強目的で鼻背および両側(特に左側)鼻翼上部と左鼻孔縁へのSureDerm挿入術
2回目:完全CLOSE法にて壊死耳介軟骨片完全除去&
隆鼻鼻翼厚膨隆および鼻孔縁補強目的で鼻背&
両側鼻翼上部&左鼻孔縁へのSureDerm追加挿入術
Dr.コメント
2019年2月に1回目(デザインは1回目の時のものです)、2021年1月に2回目の手術をした症例です。
1回目の術前相談にて、シリコンプロテーゼを抜かずに「脂肪注入」で何とか希望通りにならないかとのご要望でしたが、移植軟骨片の壊死や線維化シリコン周囲の硬化と(脂肪注入すれば)フロート化感染が高確率で生じ得るとの理由から、適応外であることを御納得されました。しかし、折角(他院で)受けた手術を完全に無かったことにするのは妥協し難く、上記の術式で可能な限りの修正を行いました。
約2年経過した後に、脂肪注入を再度ご要望されましたがシリコン残存部で鼻筋が折れた様に段差があったため、被膜剥離を要す分やはり不適応でした。両鼻翼上部がホゲている様に見える(凹みを膨らませたいと仰る)部位も同様でしたので人工真皮(Sure Derm)で補い、自然な局面を形成しています。
尚、この方の鼻孔過剰狭小不用意な小鼻縮小術と鼻尖形成で用いられた耳介軟骨が時限的に壊死を起こして拘縮したことが原因なので、改善には本術式が最適でした。

症例② 29歳 女性

鼻孔過剰狭小化・鼻孔左右差の修正-症例2
他院手術歴
 27歳時(2018年6月)
鼻形成で有名な全国展開クリニックにて OPEN法で鼻尖縮小(鼻尖埋没のみ)+外側切除式小鼻縮小術
 28歳時(2019年9月)
同クリニックにて OPEN法で鼻尖縮小(鼻尖埋没のみ)+鼻尖部に耳介軟骨移植術+肉芽除去
※その後、鼻尖部の凸凹が目立ってきたため、計4回程同クリニックでケナコルト注射を受けたが、余計に凸凹が目立ってきた
希望デザイン
2度も鼻尖縮小をしたのに全く効果が無かったばかりか右側の鼻尖に余計な凹凸ができて鼻孔も歪んできたので治したい。
可能なら叶わなかった鼻尖部の縮小をやり直したい
方法
1回目:完全CLOSE法にて 両側鼻尖軟骨切除&再移植&多発性壊死耳介軟骨一部除去+肉芽・石灰化除去
2回目:完全CLOSE法にて 多発性壊死耳介軟骨+肉芽・石灰化完全除去&欠損真皮再生(Sure Derm挿入)
Dr.コメント
2020年4月に1回目(デザインは1回目の時のものです)、2021年4月に2回目の手術をした症例です。
1回目の手術時の所見では鼻尖部の段差と硬化、不自然な膨らみと左右差の原因は、移植された耳介軟骨が壊死を起こして(鼻柱右上部にも及ぶ)小断片が無数にあり、線維や肉芽だけでなく進行した石灰化を生じていたことと、2回に跨る鼻尖埋没のために生じた鼻尖軟骨の割裂でした。それが、鼻尖の右側傾斜と鼻孔形状の左右差の主な原因でした。
可能な限り癒着層を剥離して除去しましたが、鼻尖の高さと鼻孔の形状を保つため一部の鼻尖軟骨は再移植しました。
2回目の手術時の所見では、残存していた移植軟骨片を完全に除去しつつ、前医での度重なる不用意なケナコルト注射によって菲薄化していた真皮を補い、凸凹を可及的に修正する必要がありました。

症例③ 29歳 女性

鼻孔過剰狭小化・鼻孔左右差の修正-症例3
他院手術歴
 21歳時(2011年8月)
東京の個人医院Aにて両小鼻縮小&鼻孔縁挙上術(鼻翼外側の切除)
 22歳時(2012年2月)
東京の個人医院Bにて下顎骨削り手術 
 23歳時(2013年8月)
東京の個人医院Cにてフェイスリフト手術
 25歳時(2015年頃)
大阪の個人医院Dにて鼻背に脂肪注入&鼻孔縁下降術(耳介軟骨移植)
 27歳時(2017年頃)
東京の個人医院Eにて鼻翼外側基部(ほうれい線根部)にシリコン挿入
希望デザイン
鼻翼基部を下げたい。鼻尖部を細くして括れを創りたい。鼻中隔を下げつつ人中を短くし口角を挙上したい。
方法
1回目:VASER最新型脂肪吸引(全顔面)
2回目:完全CLOSE法にて 鼻翼拡張術+鼻尖軟骨切除術+壊死耳介軟骨トリミング一部除去+瘢痕・欠損部形成目的にSure Derm 挿入術
3回目:完全CLOSE法にて 鼻翼降下術+鼻中隔延長+当院オリジナル「表面に傷をつけない人中短縮術」&隆鼻と鼻尖部形成目的にSure Derm 挿入術
4回目:完全CLOSE法にて 両側鼻翼根部の瘢痕解除と内部組織の一部トリミング除去&隆鼻と鼻尖部形成目的にSure Derm 挿入術
Dr.コメント
2022年6月に4回目(術前写真もデザインも4回目の時のものですが、過去3回の手術症例報告は既に別の記事にて掲載されています)の手術をした症例です。
2011年に両側鼻翼外側の切除術を受けていたことと、鼻孔縁下降目的で両側の鼻孔縁に耳介軟骨が移植されていたこと、およびシリコンによる「貴族手術」を受けていたこと等が重なり、瘢痕の治癒経過と内部組織の組成がかなり複雑でした。加えて、この方は異常線維化が生じ易い体質の様で、瘢痕周囲のスキンブリッジや拘縮が増生していることも見受けられました。
そこで、この方の手術歴と経緯を全て考慮に入れ、全て内側(鼻腔内の三角形デザイン)に切開線を設けつつ、鼻翼壁(緑色破線デザイン)の厚みをトリミング切除・減量させながら鼻腔内上方に牽引して、鼻翼根部表面の牽引痕を鼻翼根部内側に収納させる方法により、鼻翼根部の立て直しも図りながら狭小化した鼻孔を拡大させつつ多少の口角挙上も狙える手法で修正しました。
鼻整形修正 OPEN法の瘢痕と鼻中隔を完全CLOSE法で修正(鼻中隔延長or過剰延長の短縮)&表面に傷をつけない人中短縮or延長リスク・問題点・合併症とそれらの対策
1.合併症や副作用と軽減または予防法
  • 局所麻酔の副作用は、アレルギーと麻酔中毒(頭痛・嘔気・眩暈・呼吸抑制・意識混濁などの中枢神経症状)が殆どで
  • アレルギーは問診や皮内反応で対応でき、中毒は手術を中断した上で点滴治療をすれば通常回復します。
  • 麻酔による腫れがひくのに通常は数日間、炎症による腫れや内出血のダウンタイム(治癒期間) は平均2~3週間程度です。
  • 線維化による癒着、凸凹、シコリ、ツッパリ感などは、術後数ヶ月の内に自然軽快しますが遅延の場合には溶解注射で治します。
2.ごく稀な合併症
  • 内出血、感染(化膿)、などに対しては適切な注意事項と服薬等の遵守で予防します。
  • 創面の離解(または「し開」)や移植物・挿入物の創面からの露出が万一生じた場合には速やかに受診して下さい。
  • 感染が生じた場合(ごく稀)のダウンタイム(治癒期間)は更に数週間かかることがあります。また、挿入物にまで感染が及んだ
  • 時は抜去しなければ治らないこともございます。数週間~数ヶ月、治癒遅延が生じた方でも数ヶ月以内に自然軽快してきます。
3.禁止事項
  • 術前夜:アルコールを控えて下さい。
  • 術日朝:静脈麻酔を御希望の方は食事を控えて下さい。常用薬はカウンセリング時に服用是非をご確認しておいてください。
  • 術後2日~3日:入浴・飲酒・刺激物摂取・運動 ・洗顔や化粧(シャワーは翌日から可能です)
  • 術後2~3週間:クレンジング時の擦過、マッサージや殴打等
4.術後の必須事項とした方がいいこと
  • 術後3日~4日間 24時間は鼻ギプス(または必要時Retina)の装着必須期間があります。
  • 通常、7日後の抜糸が終われば早期合併症のリスクが大幅に減りますが、ギプスの追加装着をした方が望ましい場合もあります。
  • 手術後当日のみ:15分毎にクーリング(冷却) 15分毎と安静
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