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脂肪吸引の修正「臀部・大腿後面 脂肪吸引and/or 注入 ヴィーナス土偶体型の修正and/or他院修正」

Venus土偶タイプの体型は再デザイン可能なのか?

土偶と言っても世界中には様々なタイプのヒトを象った土偶の種類があります(土偶の典型例Ⓐ )。中でも縄文のVenus土偶(例Ⓑ )は特に下臀部の外側・後方への強調された張り出しがあるために、ラ・フランス(洋ナシ)体型のカテゴリーに当てはまらない程の形状になっています。とりわけ上臀部外側に中等度以上の陥凹が伴うとそのフォルムが、デフォルメされた土偶の様な体型に近似して見えてしまうのです。

しかしながらその方の体型が土偶タイプに分類されたからといって、決して偏見的な視点で見ているのではなく寧ろ全国の美容外科医に医学的な啓蒙をしなければならないという観点から、今回誤解を恐れず敢えてその様に類型化しました。

土偶体型解説写真

何故なら、少なくとも本稿記事でご紹介する3例の内2例は拙劣な吸引技能で御本人様が希望されない体型にされてしまった方が実在されているからです。本稿提示の症例以外にも多数の失敗修正例が、令和の世にも後を断っておりません。下臀部と大腿後面上部や外側の脂肪が手つかずに取り残されているか(実際に吸引孔から近いところほど吸引しづらく取り残しが多い傾向があります)、担当医による術後の圧迫固定指示が不適切であるか、デザインもせず担当医が適当またはやりたい様にしか吸引をやっていないからなのか、何れにしても医原的合併症だと当院は考えています。

Venus土偶タイプの体型を再デザインまたは修正するには、共通している傾向と個別に異なる事情の組合せがあり、「これだけすれば正解」というのがありません。技術の集大成と「絶対に成功させる」という情熱、そしてオーダーメイドのアレンジが必要です。その愚直な症例経験の積み重ねの中にしか正解は無いのです。

症例① 30歳 女性

臀部・大腿後面の脂肪吸引修正症例01
他院手術歴
27歳時:脂肪吸引(臀部・大腿全周・脹脛・足首)
希望デザイン
大手美容外科新宿院で(上記の部位の)脂肪吸引手術を受けたが、却って洋ナシ型の体型になり、多重ヒップラインと凸凹と左右差が目立ってしまった。脹脛も力を入れた時にすごく凸凹になってしまう。せめて温泉旅行に行ける様になりたい。
方法
臀部(ヒップライン)&大腿後面の脂肪吸引術後修正
VASER超音波 他院修正モード吸引(大腿後面+下臀部)&
脂肪+濃縮幹細胞+PRP+PRM注入(上臀部・ふくらはぎ)
Dr.コメント
この症例はVASER超音波 修正モード(当院がオリジナル改良したモードです)を駆使して臀部の弛緩皮膚のリフトアップを図っても術前シミュレーションで効果が不充分だと予測されたため、脹脛の凸凹を修正するついでに上臀部の大臀筋内への自己組織注入を施しております。他院で土偶の様な体型にされてしまったのが小さい桃尻になり、凸凹やタルミの大半が改善されました。ラ・フランス体型に上臀部外側の中等度以上の陥凹が伴うとVenus土偶の様な体型になってしまいます。これはひとえに前医の拙い手術のせいと言ってしまえばそれまでですが、実は術後の圧迫指導にも原因の一端(症例②でも同様に言及しています)があります。

Venus土偶タイプの体型を再デザインするには個別の臀部下縁後方と外側に3D曲面+1Dを如何にグラデーション彫刻できるかがポイント!

今回の記事で御紹介する各症例の体型的特徴は、メインヒップラインを挟んだ上下の皮下組織厚が相対的に肥厚または残存しており、大抵の美容外科医なら「過剰吸引すればヒップラインが却って崩れるのではないか」「タルミや凸凹のムラ、左右差が却って生じるのではないか」等の警戒を覚える部位でありしかも程度が著しい状態です。自信がなければ手を出さず専門家に紹介すれば良いと一般の方は思われるでしょうが、競争の激しいこの業界で営利至上主義の経営者なら紹介せずに稚拙な技術の医師でもさせてしまいがちです。

手術を受けた本人様からすると、失敗されれば少なくとも2倍以上の費用と2回以上の痛みやダウンタイムを覚悟せねばならず、中には2回目に別の医院でもっと酷い失敗をされる方もいらっしゃいます。

当院の修正手術では先ずデザイン時に御本人様の現行のヒップシェイプに透過するかの様に、可能な限り御本人様の理想像を伺いつつ私の頭の中だけで重ね合わせて、実際の吸引時にはタルミや浅層・中間層・深層で偏った吸引にならない様にしつつ術中に局所麻酔薬で膨張した大腿から正確に4D(当院では3D+動的な時間次元の1D)彫刻をする様なグラデーション吸引をしています。

また、元々下臀部や大腿後面上部の皮下組織の脂肪と繊維組織の存在比率には個体差と部位差があり、実際には同一部位でも局所の差が少しずつ変化しています。例えば下臀部内側(中央側)は座位で坐骨といつも挟まれて硬くなっていて脂肪組織の比率も少ないですが、大腿後面上部外側は吸引圧が高いか少しでも過剰吸引すると簡単に凸凹になってしまいやすい部位です。

それに増して他院術後修正症例では、他院で誰がどの様にやったか判らない失敗吸引の後始末を、その痕跡だけを頼りに皮下の内部の状態を全て把握して手術しなければならず、タルミや凸凹、左右差やダブルヒップライン等全て同時に、しかもたった一回で解決しなければなりません 。つまりこの部位の周囲は一筋縄でいかない困難さがあります。

吸引後にどう(圧迫補正下着等で)固定されるか、血腫や線維化がどの程度生じるのか等の個別のファクターも先読みしなければ、御本人様の理想通りには仕上がりません。

症例② 28歳 女性 58.3kg 体脂肪率32.7%

土偶体型の修正01-1
土偶体型の修正01-2
他院手術歴
23歳時:大腿全周と臀部の脂肪吸引
希望デザイン
他院で吸引されて却っておかしくなってしまった腰、お尻、太ももの太さと不自然さがコンプレックスなので改善をご希望される。
方法
1回目:VASER Vent-X 他院修正モード脂肪吸引(腰部・大腿後面・臀部)
2回目:VASER Vent-X 通常モード脂肪吸引(膝周囲・下腿・足首)
吸引量
腰部(右:550ml 左:550ml)
大腿裏(右:500ml 左:500ml)
臀部(右:550ml 左:550ml)
Dr.コメント
この症例は2010年11月、他院修正と痩身目的で Vent-X(旧型VASER)通常モードにて上記範囲の吸引を行った方です。当時梅田院しか開業しておらず、この方はモニター契約をして2回目の手術の際にポイントも使用されているのですが、契約通りの撮影期間(初回手術3ヶ月後まで各月)に(遠方のためか)御来院されなかったため、術後1ヶ月目が最終確認となっています。腰部のツイスト線やタルミの解消は勿論、Venus土偶の様に後方と外側に迫り出した下臀部、ぬいぐるみの様な形状となった大腿後面上部のダブつきを修正して欲しいとの御要望がありデザイン吸引しています。術後の線維化が減少すれば更に臀部も小さく大腿も細くなり、残存している陥入線(※)も消退してゆくと思われます。
(※)恐らく前医術後で圧迫固定目的でガードル等を履き上げる際、タルミごとズリ上がったまま半端な部位に圧迫癒着痕がついてしまったことが原因です。

臀部や大腿の脂肪吸引で事前に名医を見抜くポイントは?

元々大腿後面と臀部はフィジカルに連続している部位ではありますが、ヒップラインを境界として立体的な構造が変化している部位でもあります。つまり、大雑把に言えば「球体」と球体の直径よりも小さい直径の「円柱」が境界線を境に合体して連続している様な構造です。大抵の吸引担当医は(患者が伏臥位で受ける)脂肪吸引の際に、吸引管の挿入深度、角度、吸引対象の層(レイヤー)がヒップラインを境にしながら内側と外側で劇的にまたはグラデーション的に連続して変化する部位であることを頭で理解していても、レイヤー毎の吸引が実際にはできておりません。伏臥位でカニューレを同じ層に挿入したまま一様に吸引し続けると、患者を立位させて診た時に(立体的でなく平面的な臀部となり)、おかしな仕上がりになってしまうのです。傷跡をつける位置を決める際にも、一般的に目立たないヒップライン線内に吸引孔を1カ所に設けながらも上下で異なる立体イメージに基づく吸引をしなければならない箇所とするのが諸条件を満たすセオリーです。

この両部位に跨る脂肪吸引で他院にて失敗される典型的なパターンとして幾つかの共通要因がございます。
❶吸引孔の痕跡(傷跡)が適切な位置に付けられていないこと
❷術者と御本人様との間で術前に充分な打合せがなされていなかったこと
❸術前にオーダーメイドデザインがなされていなかったこと
❹術中や術直後の確認がなされていなかったこと
❺術後の圧迫固定が不十分だったこと

などが挙げられます。これらの事実は全て御本人様達からの聴収で判明していることですが、同時にカウンセリング時にご本人様による予測が困難なことでもあります。手術直前に気付いても「まな板の上のコイ」状態となってしまうので、その様な失敗を避けるためにはせめて

①カウンセリング時に貴方自身の身体で診察を受けること
②具体的にどの様な修正技術で手術を予定されるのかを尋ねること
③術者による過去の似た症例の実績を幾つか見せてもらうこと
までは最低限しておかなければなりません。
④2ndや3rdオピニオンを求めて複数の医院に出向くこと
をお勧めします。実際当院で手術を決断された方の多くが、そうされていました。

症例③ 27歳 女性 54.0kg 体脂肪率26.1%

土偶体型の修正02

他院手術歴:なし
希望デザイン
上半身と下半身の肉付きの相違があり、いくらダイエットしても効果が無くお尻のタルミや太ももの太さがずっとコンプレックスだった。外ももの張り出しを減らしてバランスよくデザイン吸引してもらいたい。
方法
VASER超音波モード根こそぎ吸引(大腿全周+膝+臀部)
吸引量:大腿表(右570ml 左600ml) 大腿裏(右750ml 左750ml)臀部(右530ml 左500ml) 
Dr.コメント
本稿でこの症例だけ他院修正ではありません。一見同じ様に見える土偶タイプの体型でも、上記2つの例と異なるのはヒップラインの下にもう一段のダブついた平行陥入線が無いということです。つまり、他院術後修正でありがちな不自然なタワミや段差の痕跡は、稚拙吸引方式と圧迫位置のズレで生じ得る証左になっているということです。この症例は、2013年1月VASER新型超音波根こそぎモードを駆使して、臀部~大腿全周にかけて吸引のみで体型を再デザインしました。下臀部のタルミを上臀部外側の陥凹部に向けてリフトさせながら収納させたので、脂肪などの注入は不要でした。

臀部脂肪吸引修正or注入でのNG手術とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて

  1. 診察時に臀部陥凹部の触診 or 皮膚の伸展度をシミュレーションしない
  2. 吸引部の陥凹の原因が、癒着なのか取りすぎなのか判断を間違う
  3. 各人の大腿の動きや大殿筋量を計算に入れたデザインをしない
  4. 吸引された同じ層に大量のヒアルロン酸や脂肪の注入を勧められる
  5. 臀部用シリコン(感染や痛みのリスク高)を挿入することを勧められる

等、上記どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!

臀部の脂肪吸引で失敗されるとこうなります!

当院で臀部の他院脂肪吸引後の修正をした方の中には、左右差が(元よりも)悪化するに留まらず凸凹やタルミ、シワが増えて一気に下垂した方や、水着が着れなくなった方、坐骨神経痛になって治らなかった方、ダブルヒップラインや臀部外側が男性の臀部の様に陥凹が見られた方等がいらっしゃいました。どんなに有名なクリニックでも慎重にDr.を選んで下さい。臀部や大腿の脂肪吸引は、デザイン時からAIの様な正確な予測と4D(3D+動態)で吸引や注入が、完全にオーダーメイドで正確にできなければうまくゆきません。

臀部脂肪吸引のリスク・問題点・合併症とそれらの対策
1.合併症や副作用と軽減または予防法
  • 局所麻酔の副作用は、アレルギーと麻酔中毒(頭痛・嘔気・眩暈・呼吸抑制・意識混濁などの中枢神経症状)が殆どで、アレルギーは問診や皮内反応で対応でき、中毒は手術を中断した上で点滴治療をすれば通常回復します。
  • 術後2~3日以内は打撲痛程度、その後数週間は筋肉痛程度の軽度の痛みが続きますが、通常全て軽快・自然治癒します。
  • 麻酔による腫れがひくのに通常は数日間、炎症による腫れや内出血のダウンタイム(治癒期間) は平均2~3週間程度です。
  • 線維化による癒着、凸凹、シコリ、ツッパリ感などは、術後数ヶ月の内に自然軽快しますが遅延の場合には溶解注射で治します。
  • 傷跡は各吸引部位に1~2箇所ずつ直径5~15mm程度の傷がつきます。この傷は残りますが数ヶ月~1年程で目立たなくなります。目立たなくさせるために、7日後の抜糸時より、テーピング約1ヶ月間を施します。
  • ごく稀に傷が開いたり、かさぶたを剥がしたりすると肥厚性瘢痕になることもあります。
  • レーザーや日焼けで色素沈着(シミ)が起こることもありますがこれも稀です。
2.ごく稀な合併症
  • 血腫、感染(化膿)、排液貯留、凹凸、タルミなどに対しては適切な圧迫固定と服薬等の注意事項遵守で予防します。
  • 血腫や排液貯留、感染が生じた場合(ごく稀)のダウンタイム(治癒期間)は更に数週間かかることがあります。
  • 数週間~数ヶ月続く神経鈍麻が生じた場合、治癒遅延が生じた方でも数ヶ月以内に自然軽快してきます。
3.禁止事項
  • 術前夜:飲酒をしないで下さい。
  • 術日朝:静脈麻酔を御希望の方は食事を控えて下さい。常用薬はカウンセリング時に服用是非をご確認しておいてください。
  • 術後3日~7日:入浴・飲酒・刺激物摂取・運動 ・洗顔やクレンジング時の擦過(シャワーは翌日から可能です)。
  • 術後2~3週間:吸引部のマッサージや殴打等
4.術後の必須事項とした方がいいこと
  • 術後4日間 24時間はテーピング固定必須期間があります。
  • 術後7日間 24時間はストッキングやウエストニッパーなどの装着必須期間があります。
  • その後数週間は更に起きている間(12時間以上)圧迫を続行する方が更に浮腫みが引締ります。
  • 通常、7日後の吸引部位の抜糸が終われば傷にテーピングを施します。約1ヶ月間続けて下さい。
  • 手術後当日のみ  15分毎にクーリング(冷却) 15分毎と安静
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