簡単な様に見えて実は難しいヒップライン形成
VASERライセンス取得者であっても、臀部や大腿の脂肪吸引では陥りやすいピットホールがいくつも存在しています。
先ず、臀部の筋肉や脂肪のつき具合とタルミや陥凹程度の個体差が千差万別であることです。ヒップライン、セルライトの有無、皮膚の厚みや柔らかさと下垂の程度、腰部や大腿との形状のバランス、筋肉量とその動き、そしてご本人様がどの様な形状をご希望されているのか、あらゆるファクターを全て計算にいれて彫刻と彫像するかの如く、十全な機能と最大限の美しさを引き出さなければならないからです。
下臀部と上臀部の脂肪のつき方にもグラデーションがあり、特に外側の陥凹部やヒップライン周囲の過剰吸引をされてしまえば、すぐに凸凹になってしまいます。或いはヒップラインそのものが消失してしまうことも、ダブルヒップラインやトリプルヒップラインになることも別の左右差や枝分かれ線等が出現することもあります。
手術時は筋肉の動きを弛緩させて行いますが、術後の腫れがひいて皮下組織が筋膜にうまく癒着してから大腿四頭筋や大臀筋の動きに連動した仕上がりの結果が判明するため、術者はそこまで先読みをしながらの吸引をしなければなりません。また下臀部中央付近の脂肪吸引に際して、坐骨神経痛が生じない程度にクッションとしての脂肪を残さなければなりません。
症例① 35歳 女性 58.8kg
他院手術歴 左大腿上部裂傷 縫合 |
希望デザイン 他の一般的な脂肪吸引よりもVASERの方が効果が大きいと思い、かねてから気になっていた下半身の脂肪を減らしたい。特にセルライトやお尻の凸凹もついでに改善ができればいいと思う。 |
方法 VASER2.0超音波モード 根こそぎ脂肪吸引(大腿裏・臀部) 吸引量:大腿裏(右1000ml 左1000ml) 臀部(右400ml 左400ml) |
Dr.コメント 2010年当院にてVASER超音波モードを駆使して、臀部から大腿外側の張り出したラ・フランス体型と左右差のあるヒップライン、およびジャガイモの様な凹凸のある臀部やセルライトの修正を行いました。別人の様に体型が変わりましたが、同一人物です。大腿よりもヒップのサイズが大きくバランスの良い肢体に仕上がるようなデザイン吸引を施しました。VASER超音波モードをきちんと使いこなせれば(但し、超音波プローブも吸引カニューレも彫刻刀の様に真直ぐな1本の金属管ですが)浅層を滑らかにしつつグラデーションのある皮下脂肪をなだらかに形成することも可能です。 |
臀部や大腿の脂肪吸引で事前に名医を見抜くポイントは?
元々大腿後面と臀部はフィジカルに連続している部位ではありますが、ヒップラインを境界として立体的な構造が変化している部位でもあります。大抵、傷跡が目立たないヒップライン上に吸引孔を1カ所に設けて上下で異なる立体イメージに基づく吸引をしなければならない箇所ですが、この両部位に跨る脂肪吸引で他院にて失敗される典型的なパターンとして幾つかの共通要因がございます。
❶吸引孔の痕跡(傷跡)が適切な位置に付けられていないこと
❷術者と御本人様との間で術前に充分な打合せがなされていなかったこと
❸術前にオーダーメイドデザインがなされていなかったこと
❹術中や術直後の確認がなされていなかったこと
❺術後の圧迫固定が不十分だったこと
などが挙げられます。これらの事実は全て御本人様達からの聴収で判明していることですが、同時にカウンセリング時にご本人様による予測が困難なことでもあります。手術直前に気付いても「まな板の上のコイ」状態になってしまうので、その様な失敗を避けるためにはせめて、
①カウンセリング時に貴方自身の身体で診察を受けること
②具体的にどの様な修正技術で手術を予定されるのかを尋ねることと
③術者による過去の似た症例の実績を幾つか見せてもらうことまでは最低限しておかなければなりません。
④2ndや3rdオピニオンを求めて複数の医院に出向くことをお勧めします。
実際に当院で手術を決断された方の多くが、そうされていました。
症例② 25歳 女性 50.5kg
他院手術歴 24歳時:下肢脂肪吸引 |
希望デザイン 大根足がコンプレックスで以前から細い脚に憧れがあったが、他の医院で脂肪吸引を受けたがほどんど体型が変わらなかった。外ももの張り出しを減らし、内ももは隙間ができる程にしてもらいたい。 |
方法 VASER2.0通常モード吸引(大腿全周・膝周囲) 吸引量:大腿裏(右675ml 左670ml)大腿表+膝右(560ml 左630ml) |
Dr.コメント 2016年当院にてVASER通常モードで、大腿外側の張り出しと大腿内側の隙間形成や浅いヒップライン形成をご希望通り改善しました。セルライトも根治しています。あと数か月もすればヒップラインの左右差も傷跡も更に改善すると思われますが、モニター撮影が2.5ヶ月目を最後に(海外に引っ越されたのか)お越しになられませんでした。もしも3ヶ月目の御来院時に最終状態になっていなかった場合には、(全員の方にもちろん事前説明をしておりますが)当院で全例微調整のアフターケアを無料で行っております。 |
臀部の陥凹やタルミ、不自然なヒップラインをどうやって治すのか?
臀部外側の陥凹が軽度なら、臀部Superficialの脂肪層に超音波を満遍なく施して浅層剥離し、下臀部の余分なIntermediateやDeep層の脂肪をグラデーション吸引して下臀部のタルミをうまくスライドアップさせながら陥凹部に収納すれば、脂肪などの注入が不要であることもあります。
しかし、臀部外側に中等度以上の陥凹やタルミがあった場合には、左右差も計算に入れながら注入を要することがあります。この際に注意すべき点は剥離層に脂肪を注入してしまえば吸引した筈の下臀部層へと流れてしまうことがあるということです。一方、浅層剥離に際しても超音波をかけすぎてしまうと今度は癒着による引き攣れや陥凹、不自然なヒップラインが却って出現してしまう等の加減の難しさがあります。
これは他のVASERライセンス保有者も(Alfredo Hoyos Dr.でさえ受講時に言及していなかったので)知る由もない経験者のノウハウなのです。不自然なヒップラインの修正も、当院では独自の技術を開発し、VASERを使いこなして進化させています。
症例③ 27歳 女性 43.0kg
他院手術歴 2014年:額への注入目的に左大腿外側のみ吸引 |
希望デザイン 豊胸目的で大腿全周吸引を希望。 |
方法 VASER VentX 通常モード吸引(大腿全周) 吸引量:大腿表(右400ml 左400ml)大腿裏(右450ml 左450ml) |
Dr.コメント 2015年当院にてご本人様の御予算の都合上、旧型のVASER Vent-Xを用いて割安で大腿全周の脂肪吸引を行いました。この方も豊胸目的でしたが、体重が43㎏しかない方でしたので大腿内側の吸引を施してもO脚にならない様に留意するのはもちろん、ヒップの形状も丸みを引き出す様にしながら脚が長く見える様に意識してオーダーメイドデザイン吸引を施しました。過剰吸引もNGですが(豊胸が成功するためにも)吸引不足もNGですので、デザイン時に必要かつ充分な脂肪吸引ができるかどうかの事前の見極めを(低体重の方には特に)要します。 |
臀部脂肪吸引修正or注入でのNG手術とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて
- 診察時に臀部陥凹部の触診 or 皮膚の伸展度をシミュレーションしない
- 吸引部の陥凹の原因が、癒着なのか取りすぎなのか判断を間違う
- 各人の大腿の動きや大殿筋量を計算に入れたデザインをしない
- 吸引された同じ層に大量のヒアルロン酸や脂肪の注入を勧められる
- 臀部用シリコン(感染や痛みのリスク高)を挿入することを勧められる/li>
等、上記どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!
臀部の脂肪吸引で失敗されるとこうなります!
当院で臀部の他院脂肪吸引後の修正をした方の中には、左右差が(元よりも)悪化するに留まらず凸凹やタルミ、シワが増えて一気に下垂した方や、水着が着れなくなった方、坐骨神経痛になって治らなかった方、ダブルヒップラインや臀部外側が男性の臀部の様に陥凹が見られた方等がいらっしゃいました。どんなに有名なクリニックでも慎重にDr.を選んで下さい。臀部や大腿の脂肪吸引は、デザイン時からAIの様な正確な予測と4D(3D+動態)で吸引や注入が、完全にオーダーメイドで正確にできなければうまくゆきません。