細目タイプの軽度若年性眼瞼下垂の治療
細目タイプの若年性眼瞼下垂の方は、❷仮性眼瞼下垂で先天性(若年性)の4大要因である上眼瞼眼窩脂肪過多orクボミを伴う上眼瞼陥凹(眼窩脂肪過少)症、生来の皮膚の肥厚、蒙古ヒダの牽引(ツッパリ)の内、どれか一つか複数に中等度以上の要因が該当します。また、挙筋腱膜が弛緩する別の要因(例えばコンタクトレンズやアトピー性皮膚炎などで物理的牽引や慢性的擦過)により眼瞼下垂を増悪させていることもあります。術前シミュレーションにて得られた状態が、脱脂や目頭切開を特段必要としない場合には新挙筋法のみで治療が可能です。あるいは腫れぼったい方でも幅広い二重ラインをご希望されない場合や、蒙古ヒダのツッパリに無理に反して平行型をご希望されない場合にも、本術式の適応となります。
眼瞼下垂、メスを使わず治したい!
症例① 26歳 女性
他院手術歴 15歳時:両瞼 上眼瞼脱脂&埋没法 17歳時:両瞼 埋没法(瞼板法) |
希望デザイン 蒙古ヒダが突っ張っているのを何とかしたい。開眼度の左右差を改善させてUPさせたい。 |
方法 新挙筋法2針4点固定法(左右異なる挙筋度で固定) |
Dr.コメント 当院の新挙筋法は、上眼瞼のクボミやタルミ、多重ラインや左右差の改善に加えて、開眼度を上げつつ睫毛を根元から挙上させることができるので、瞳がキラキラ輝きエクステもショートの弱カールで済み、自毛睫毛が抜けにくくなります。眉と目の間の距離は、瞼を深く折り畳むことにより短縮することができ、目力だけで楽に開眼することが可能になります。この症例は、前医で受けた埋没法だと二重ラインがすぐに取れてくる上に、目の大きさが殆ど大きくならなかったとのことでしたが、瞼板法では長持ちせず脱脂したスペースに上眼瞼をうまく折り畳むこともできません。 |
症例② 18歳 女性
他院手術歴:なし |
希望デザイン 生まれつきの眼瞼下垂を治したい。ラインの形は平行・末広中間型を希望。 |
方法 1回目:両側 新挙筋法2針4点固定法 2回目:右側のみ 新挙筋法1針2点固定法 |
Dr.コメント この症例は、上眼瞼の皮膚もやや厚くて上眼瞼眼窩脂肪過多気味でかつ蒙古ヒダのツッパリも強かったので本来ならマイクロ切開脱脂と蒙古ヒダを切除するZ形成目頭切開を併用する手術の適応だと思われました。術前シミュレーションとご本人様のご希望で新挙筋法のみで行うこととしました。しかし右側だけ二重ラインが薄くなってきたため再手術を行いましたが、それでも再発を繰り返す場合にはマイクロ切開脱脂またはZ形成目頭切開の併用手術の適応になってゆくでしょう。2年10ヶ月後に再来院された際に、瞼の折り畳み癖が安定していたのを確認できましたので、この方は結局それ以降の手術はせずに済んでいます。 |
症例③ 22歳 女性
他院手術歴:なし |
希望デザイン 末広・平行中間型の二重にしたい。眉と目の間が広いので、切らずに縮めて目の開きも大きくしたい。 |
方法 両側 新挙筋法2針4点固定法 |
Dr.コメント 当院の新挙筋法は、上眼瞼のクボミにタルミや瞼そのものを折り畳ませることができますが、その深さもある程度自由自在にコントロールできます。瞼を切除しなくても眉-睫毛間の距離を短縮させることができるので、眉下切開さえも不要なのです。寧ろ、瞼の中央しか挙上できない挙筋短縮術や前転法と比較しても、睫毛が目頭から目尻まで揃って挙上させることが可能で、瞬きの動きも自然でしなやかです。それに加えて、眉を動かさずに毎回の瞬きが楽にできるため目が疲れにくく、前額の横ジワが増えることも予防できるのです。 |