美容医療に形成外科技術を用いることの是非
形成外科は大学病院でも講義を持ち、伝統的に奇形や外傷の手術に携わってきた分野です。目立つ瘢痕や病巣部位を、皮弁法や切除&縫合の技術等で如何に上手く治療するかということに、成功体験とプライドを持っています。しかしながら美容医療と形成外科とは本来、似て非なる分野であり、健常者に対して形成外科的な手法を導入すると却って医原的な合併症が多岐に跨り数多く発症しているのも現状です。
例えば不適応者に対して行う、
等、挙げればキリがありませんが、要するに切る・置換する・縫合する手術系はナチュラル志向の美容医療には元来そぐわないのです。
形成外科専門医による失敗を当院にて修正した3症例を紹介
症例①
症例情報 26歳 女性 |
他院手術歴 22歳時:大手美容整形医院で I 型プロテーゼ挿入術を受ける。 24歳時:I 型プロテーゼをより大きなものに置換。その約3ヶ月後に感染して鼻尖部穿孔寸前になった。 その後、鼻形成専門医院でOPEN法にてプロテーゼ抜去し、側頭筋膜移植術を受けた。 翌年更に同じ鼻形成専門医院でOPEN法にて大腿筋膜追加移植を受けた。 25歳時: 有名美容整形医院でゴアテックス挿入術を受けるも、約1ヶ月後に感染してOPEN法で抜去した。 その後更に鼻中隔延長目的にOPEN法で肋軟骨と耳介軟骨を鼻尖部~鼻中隔にかけて移植された。 |
施術法 完全CLOSE法にて鼻尖形成&隆鼻(人工物置換術)術&特殊真皮再生法 |
症例②
症例情報 36歳 女性 ※7年以上アイプチ使用による眼瞼下垂 |
他院手術歴 35歳時:眼瞼下垂専門医院にて左挙筋前転法手術を受け、その後上方三白眼と閉眼障害を発症、2か月後に左挙筋前転解除と右挙筋前転法手術を受ける。今度は二重ラインに著しい左右差が生じ、切開によるライン修正手術を計3回受けた。 |
御希望 二重ライン幅の左右差と、特に左の睫毛の形が三角形に見えるのを修正したい。もうこれ以上メスを使って修正はしたくない。開眼度と閉眼障害も同時に治したい。叶うなら自然な平行型の二重にして目の形を可愛く優しい目を希望。 |
施術法 1回目:埋没新挙筋法2針4点(両瞼)+マイクロ切開脱脂(右瞼)+特殊施術計2回 2回目:埋没新挙筋法2針4点(左瞼) 3回目:埋没新挙筋法1針2点(左瞼) |
症例③
症例情報 27歳 女性 |
他院手術歴 21歳時:鼻翼縮小(外側切除)術&鼻尖部肉芽除去 23歳時:耳介軟骨を鼻尖部に移植 24歳時:鼻専門形成外科医院にて鼻尖から鼻背にかけて縦切開し、肥厚化した皮膚と皮下組織を切除&耳介軟骨一部除去 |
施術法 完全CLOSE法にて鼻尖軟骨切除&再移植&真皮再生医療&ステロイド注射 |