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A-③ クリニック選択 利便性・料金

1.施術料金に「広告費」が上乗せ!?適正価格の見極め方

HP上で比較しても一見同じ内容の手術に見えるが、各医院で手術や施術の料金の幅がありすぎて、「安かろう悪かろう」なのか、「法外に高くて騙されているのか」がよくわからないという問題が普遍的に存在しています。
自由診療である美容整形分野ではCM費用を経費計上するため、仮に同一手術内容でも結果的に施術費用が割高になる傾向にあります。更にCMで人気があるクリニックでは、その費用を賄うため効率重視となるきらいがあり、予約が満杯か一人一人に充分な時間を割いてくれないというジレンマがあります。
貴方が支払う手術料金の内訳の比重が、広告宣伝費なのか診療時間や技術の質なのかを見極めましょう。

安さよりも内容に見合った料金(料金・適正価格のモノサシ)の相場感覚を持ちましょう。
これはあくまでも参考ですが自由診療の美容医療の手術時間単価は10~50万円/1h程度であると言われています。仮に平均時間単価を30万円/1hとして、例えば両側太腿全周の脂肪吸引手術料金が30万円であるとした場合、手術にかけてもらえる時間は平均約1時間程度ということになります。
両側太腿全周の脂肪吸引をきちんとご希望通り最後まで丁寧にすると、どんなに経験豊富なドクターでも超音波を用いずに1.5時間はかかります。
CMをしても尚料金が安い手術は更に時間効率重視になりがちです。最後の仕上げまで丁寧にならないことも多く、重大な合併症や後遺障害を来す原因にもなりかねません。

2.近所のクリニックだからという理由のみで選ぶのはNG

地方の美容クリニックの中には、開設管理医師が常時常勤しておらず、一人または少数のDrが幾つかのクリニックを日ごと巡回している医院があり、その場合は術後合併症になっても診察を受けられないことが多いと言われています。

自宅から近いという利便性だけで決してクリニックを選ばず、アフターケアまで一貫して、手術を受けたクリニックで受けられるかどうかを事前に確認しましょう。

3.多忙を理由に「深夜の手術」を選択するリスク

また、仕事のスケジュールがつかずに深夜の手術を希望される方やそれを受け入れるクリニックも実際にある様です。

深夜時間帯に全身麻酔の手術を受けて万一、重大な合併症や生命に関わる事態になった時、救急車で搬送されても搬送先には大抵当直医しかいません。
人手や設備が不足がちな深夜の手術は非常に危険です。

4.「低価格」すぎる施術に潜むカラクリ

例えばヒアルロン酸やボツリヌス毒素製剤を中国から安く大量に仕入れて、商品名を適当な名称に変換するか他の薬剤などに混合して低料金で施術されていることがあります。
実際に中国の某美容整形医院で「金の糸挿入術」を、不純物が混入された金の糸に見える合金糸を挿入され、顔面内の合金糸が錆びて大きな社会問題になり、皮肉にも中国の一部の都市では金の糸挿入術が結局流行らなくなったというエピソードがあります。

安価な施術や手術は要注意です。異物を注入または挿入される手術では、大切な貴方の顔や身体に劣悪なものが使われている可能性があることをいつも念頭に置いておきましょう。
美容医療は、昨今問題になっている食品偽装や一部の中国製粗悪品と決して同じになってはならないのです。
クリニック都合の効率主義の犠牲になり、合併症の治療や追加または修正手術に対して初回目以上のリスクや余計に高い費用が却って掛かることも現実にしばしばあるのです。

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