鼻整形・鼻形成で失敗されるとこうなります!
鼻中隔を切断するOPEN法、または鼻翼外側に傷をつける手術、L型シリコンやゴアテックス・豚軟骨の移植、自己耳介軟骨や肋軟骨移植術を勧められた場合、その担当医がどんなに名医で有名でも、或いは過去の症例実績がどれほど素晴らしく自然で美しく見えたとしても、決してその様な手術は受けないで下さい。現在では優れた代替法がございます。有名医師や鼻専門の医師の術後でさえ当院で鼻形成後の修正をした方の中には、当院の術前初見において、元よりも著しく醜形となっていた方が数多くいらっしゃいます。
耳介軟骨・肋軟骨・腸骨移植がNGな理由と背景
人工物やシリコンでは異物応答反応によって術後数ヶ月~数年以内に被膜拘縮による変形や硬化、位置異常等の諸問題が生じる可能性が高く、穿孔・露出・感染・壊死等の重篤な合併症も少なくありません。しかし鼻の形成術において人工物やシリコンを使うことを避けようとすると、今度は手段や方法はかなり限られてきます。耳介軟骨・肋軟骨・腸骨等の自己軟骨や骨は、自家移植後、組織厚があるため中心細胞への血流遮断or血行不良等により壊死が生じることも少なくなく、人体にとって壊死組織は異物として処理されようとします。
一方で、耳介軟骨等を粉砕して挿入する手技であってもやはり多発的壊死塊が生じれば、却って掻把困難になります。何れの場合も数か月から数年を経て異物応答反応と呼ばれる線維化・肉芽化・石灰化が生じ、やがて硬化・肥厚化・変形・皮膚穿孔・露出・慢性の発赤・変色・引き攣れやツッパリ感等の後遺障害となって、更に時間が経つ程に難治性へと移行してゆくこともしばしば見受けられます。つまり、自己組織や細胞も壊死が生じれば全て「異物」となり、ゴアテックスやシリコン等の異物と同等かそれ以上のリスクを背負ってしまうことになるのです。
https://clinic-nine-fields.com/column/face-tokusyu-1/
症例① 31歳 女性
他院手術歴 21歳時:鼻尖埋没(CLOSE法) 23歳時:鼻尖部癒着解除&鼻尖軟骨一部除去&I型プロテーゼ挿入(OPEN法) 26歳時:プロテーゼ抜去&I型プロテーゼ再挿入&鼻中隔延長&肋軟骨挿入(鼻尖部+鼻中隔)(OPEN法) 28歳時:プロテーゼ抜去&ハンプ&人中短縮&小鼻縮小&ゴアテックス挿入&肋軟骨再移植 (OPEN法) 29歳時:瘢痕修正 30歳時:ゴアテックスを薄くして再挿入 |
希望デザイン 鼻呼吸がしづらいので、とにかく鼻で楽に呼吸ができる様になりたい。鼻尖部や鼻中隔内部の凹凸と不自然な硬さ、鼻中隔表面の目立つ傷跡を全部治したい。傷跡の引き攣れのせいで顔面までつっぱり、笑顔になりにくいのもできれば改善したい。鼻の軸が曲がっているのを真直ぐに修正しつつできれば少しダウンノーズにしたい。左鼻翼の根本が横に広がっているのを中央側に寄せたい。 |
方法 壊死軟骨と異物除去&鼻尖部・鼻中隔・鼻翼にかけて広範囲剥離&隆鼻と鼻尖・鼻中隔形成および左鼻翼基部形成目的でSure Derm挿入 |
Dr.コメント 2021年9月の症例です。鼻形成で有名な日本と韓国の鼻専門美容整形医院の術後修正症例です。コロナ禍で韓国に行けなかったことが幸いし、お悩みを全てCLOSE法で修正可能な医院を検索し当院に辿り着きました。OPEN法で更に醜くなることをこれ以上繰り返させずに済みました。壊死軟骨と異物による線維化が特に鼻尖内で著明で硬化し、常に慢性の炎症と血流不全(ある程度の血行不良だと阻血になるため却って毛細血管が拡張します)による発赤が見受けられます。変形した鼻スジと鼻尖部内異物や壊死軟骨を除去してSure Dermに置換し、左鼻翼基部もギャッジアップしながら鼻中隔内側の腫瘤もトリミングしています。加えて瘢痕部は真皮下を均一な層で剥離した後に、再発防止のためSure Dermで一層分真皮を再生させています。あと数ヶ月で、過去複数回受けたOPEN法の瘢痕が悉く更に目立たなくなってゆくでしょう。 尚、瘢痕の引き攣れによる頬筋の可動域も広範囲剥離により殆どFreeになり、今は元の笑顔を取り戻しています。 |
Sure Derm(シュアダ―ム)とは?(前編)
1.ヒト由来の人工コラーゲンで作成されています。アメリカや韓国では20年以上も使用され、FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可も受けています。過去に重篤な合併症やアレルギーの報告はございません。
2.生着率20~30%の脂肪と比較して、50~80%の高い組織残存率を見込めます。挿入後1年以内に自己組織化し、シリコンプロテーゼやゴアテックス、プチ整形素材よりも自然な仕上がりになります。
3.オーダーメイドカットデザインができ、鼻の高さ(厚み)も調節できます。滅菌パックから取り出すとボードの様に硬いですが、生理食塩水に浸すと湯葉の様に柔らかくなります。術後レントゲン撮影時にも写りません。
Sure Derm(シュアダーム)は、美容整形素材の研究・開発をリードする韓国の一流メーカー「HANS Biomed」社によって開発されたヒト由来コラーゲン製品です。アメリカや韓国では20年以上の実績があり、FDAに認可されています。シュアダームを生体内に移植すると、コラーゲンファイバーの網目構造の中にご自分自身の線維芽細胞や免疫細胞等が入り込み、自己組織に創り変えていきます。組織に対するボリューム増大効果は個人差や部位差がございますが、脂肪よりも高い50~80%以上の生着率が見込めます。特に傷跡や陥凹部の真皮の再生には効果を発揮します。(当院では幹細胞を用いた別の技術で世界で初めて生体内で自己細胞を増殖させる手術にも成功しています。)
症例② 41歳 女性
他院手術歴 26歳時:L型プロテーゼ挿入 31歳時:L型プロテーゼがグラグラしてきたので抜去し、I型プロテーゼに置換&鼻尖部に耳介軟骨挿入(OPEN法) 36歳時:小鼻縮小術 40歳時:ヒアルロン酸注入 |
希望デザイン 先ず拘縮による過剰なアップノーズを改善したい。可能なら人中も少し短く(鼻中隔を奥に引っ込めて)して鼻先端部を下げ、鼻孔が正面から見えにくくしたい。鼻スジと鼻中隔の歪み(正面からも横から見ても曲がっている)も改善したい。 |
方法 プロテーゼ抜去+耳介軟骨除去&鼻中隔への再移植+鼻中隔浅層と鼻孔上部の鼻翼陥凹部へのSure Derm挿入+人中短縮(鼻腔内アプローチ) |
Dr.コメント 2021年5月の症例です。先ずプロテーゼ抜去後Sure Dermで置換し鼻背の歪みを補正した後に、鼻尖部に移植されている壊死した耳介軟骨をトリミング除去して生着部を鼻中隔の鼻尖側に再移植し、更にSure Dermで一層分真皮を再生させています。術前後のカメラの撮影モード設定がおかしくて鮮明な画像が残っておりませんでしたが、両鼻孔上部の鼻翼陥凹部にもSure Dermを追加挿入しています。鼻尖部皮膚の伸展度限界まで下げ、同時に他院OPEN法の鼻中隔瘢痕も解除しつつ鼻中隔根部を上方に挙上したために、結果として人中も少し短縮できています。勿論全て完全CLOSE法で行いましたが、抜去後の皮膚がそれほど柔らかくなくこれ以上鼻尖部や鼻中隔に詰め込んでしまうと鼻尖部組織内圧が亢進して吻合不全や挿入物露出の恐れがあるため、敢えて限界ギリギリで終了しています。 |
Sure Derm(シュアダ―ム)とは?(後編)
Sure Dermによる鼻の形成は仕上がりが非常に良く、プロテーゼ抜去後の脂肪注入よりもSure Dermによる形成が当院では主流になっています。それは、
等の理由があるからです。
但しL型プロテーゼを抜去し置換により同時形成する場合、 Sure Dermは鼻尖部をピノキオノーズの様に極端に高く形成・維持させる素材として単独では不向きですが、鼻尖軟骨切除 & 再移植をハイブリッド併用すると尖ったような鼻尖部を形成することもある程度可能です。
症例③ 26歳 女性
他院手術歴 22歳時:大手美容整形医院で I 型プロテーゼ挿入術を受ける 24歳時:I 型プロテーゼをより大きなものに置換したが、その約3ヶ月後に感染症状が出てきて鼻尖部穿孔寸前になった その後東京の鼻形成専門医院でプロテーゼ抜去して、側頭筋膜移植術を受けた 翌年、更に大腿筋膜追加移植を受けた 25歳時:有名美容整形医院で鼻スジにゴアテックス挿入術を受けるも、その約1ヶ月後に感染してゴアテックスを抜去した その後更に鼻中隔延長目的に肋軟骨と耳介軟骨を鼻尖部~鼻中隔にかけて移植された |
希望デザイン 鼻の頭が扁平で先端に陥凹があるのを治したい。プロテーゼや他の部位の軟骨は硬く不自然で後で変形もしてくるので、それらの材料でない方法で鼻スジを真直ぐにして細く高くしたい。鼻中隔が異様に出っ張りすぎていて横から見てすごく不自然だけど、鼻中隔の根元の位置(下方への出具合)は維持したい。 |
方法 1回目:鼻尖部と鼻中隔の瘢痕解除&肋・耳介軟骨余剰分を一部トリミング除去&一部加工再移植(当初は殆ど残したいと御希望)&鼻尖陥凹部と鼻中隔浅層へのSure Derm挿入 2回目:鼻尖軟骨切除再移植術(鼻尖部・鼻中隔形成)&鼻尖陥凹部と鼻中隔浅層へのSure Derm再挿入 3回目:肋・耳介軟骨完全除去&結紮糸除去&欠損部形成目的でSure Derm置換 4回目:隆鼻と鼻尖部形成目的でSure Derm再挿入(2回目で挿入した鼻中隔のSure Dermにより瘢痕部の真皮が再生) |
Dr.コメント 2015年3月に1回目の手術を行った症例です。当初はこれまで折角お金をかけて受けてきた手術を無駄にしたくないという思いと、鼻尖部を下に下げたいという希望が根強く残っていたために大幅な修正を御希望されませんでしたが、やはり鼻尖部に挿入されていた肋軟骨と耳介軟骨周囲の線維化による癒着や硬化、鼻をかむ度に痛みや発赤が強く慢性の炎症に晒されて諸症状が悪化傾向になる一方で、とうとう過剰に下がり過ぎて圧し潰された様な形状の鼻から、未練なく自然な形と柔らかさを優先し傷跡を限りなく目立たなくさせる方針へと転化してゆきました。また1回目の手術時には、この線維化があまりにも複雑かつ高度に生じていたため、一度に挿入軟骨を抜去すると死腔や血流不全が生じる恐れもあり、ジェンガの様に少しずつ除去しながらSure Dermで置換しつつ拘縮しきった真皮を徐々に伸ばしてゆく必要もありました。故にこの方は結果的に複数回の手術になり同年7月に2回目、2016年3月に3回目、そして2017年9月に最終手術を行いました。最後の写真は4回目手術後7日後のもの(遠方に御住まいのためこの日が終診)でしたが、鼻中隔瘢痕部の真皮が再生していることが確認できました。 |
鼻整形・形成修正でのNG手術とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて
- OPEN法や外側切開法を薦められる or 希望していない手術を薦められる
- シリコンやゴアテックス、リフト糸の挿入・異種動物軟骨移植を勧められる
- 耳介や肋軟骨(粉砕しても凸凹・拘縮・石灰化リスク有)移植を勧められる
- 貴方の鼻の皮膚伸展度に合わない程の挿入物を希望または挿入される
- 硬くなった壊死軟骨や癒着、肉芽等をそのままにした状態で修正される
- 抜去と同時にヒアルロン酸や脂肪注入(漏出変形リスク有)を薦められる
- 不溶性Filler注入を勧められるもその医師が万一の場合に除去ができない 等、どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!