自然界で肌細胞への不可逆的障害があるものは?
紫外線や放射線、化粧品や食品添加物等の化学薬品、タバコや大気汚染物質、(長期間の)乾燥、擦過刺激やアトピー性皮膚炎に代表される自己免疫疾患や慢性炎症、ニキビの原因アクネ菌やヘルペス等の感染症、お肌の敵は日常生活の中にたくさん存在しています。これらを(ここでは対「肌細胞」に限って)肌細胞「破壊因子」と呼ぶとします。それぞれの因子に暴露時間や濃度、頻度、強さ等の程度に個人差があり、かつ個人個人で生来のDNA修復能力や免疫細胞活性度、栄養・水分・睡眠、ホルモン・メラニン等の肌細胞「防御因子」によりダメージを受ける度合いも勿論変わってきます。破壊因子が防御因子のLEVELを超えてくると、肌細胞の(DNA)修復が可逆変化⇒不可逆変化へと移行して、やがて細胞の活性が低下し癌化するか死滅してしまいます。 つまりお肌の老化とは、究極的にはお肌の不可逆的破壊=肌細胞の死滅なのです。
肌質を改善させる美容医療施術で肌細胞の不可逆的障害があるものは?
特に紫外線は肌細胞のDNAを破壊することがあるため、メラノサイトという細胞がわざわざメラニン色素を産生して肌細胞に紫外線をよく吸収する黒い日傘=(シミの一部や黒子など)を指し、DNAの損傷を防いでいるというのに、人間はその色素沈着をレーザー治療等で細胞ごと焼き殺して無くそうとしています。メラニン色素の少ない西洋人に皮膚がんが(有色人種と比較して)多いことから考えると、メラニンはある時ある程度は必要です。最近はスキンタイトニングやアンチエイジング目的でレーザー治療を安易に使用する所も目立ってきました。蛋白質の熱変性でコラーゲン寿命の1年程度のリフトアップは期待できますが、その都度細胞も無数に死滅しているため過度なレーザー治療は、実はお肌の老化スピードを加速させます。当院ではこれらを「肌細胞破壊治療」と位置付けています。医療機関が破壊してあげるからあとは自力で再生して下さいという、細胞から見れば(たった1年間のリフトアップと引換えに細胞数が間引きされるメフィストフェレスとの契約の様な)紫外線よりも恐ろしい施術です。ケミカルピーリングも真皮の自己回復力(ターンオーバー)を期待してニキビ跡やクスミなどにも一定の効果がありますが、過度に行うと皮膚がどんどん薄くなってゆきます。これも破壊治療の一種で、レーザー治療もそうですがアトピー性皮膚炎を悪化させ、ニキビ跡やシミに対しても原因除去をしなければ、モグラたたきの一時的対症療法にすぎません。
肌質を根本から改善させられる美容医療施術はないの?(前編)
個体のDNAと生活習慣を見直さなければなかなか肌質を根本から変えられません。肌細胞破壊治療は、細胞への障害を契機に肌細胞が活性化することで細胞の本気の能力を引き出そうとする試みですが、やはり肌質を根本から変えられる治療にはなり得ません。肌質を根本から変えられる方法は、当院では4通りございます。(本記事内中編に続く)
症例① 25歳 女性
他院手術歴:なし |
希望デザイン 丸顔と頬のタルミを修正したい。肌荒れと慢性的な吹き出物に悩んでいて、ニキビ跡や毛穴の拡大も治したい。 今までいろんなことを試したがあまり効果が無かったので、対症療法ではない根本的な治療があれば、提案して欲しい。 |
方法 VASER 通常モード 脂肪吸引(全顔面) &ネオ・ダーマローラー 1クール(計3回) |
Dr.コメント この症例は長年、吹き出物やニキビによるお肌の慢性的な炎症に苛まれていた方です。医学は自然科学の一つですので、因果律から考えなければ根本治療計画を立てることができません。レーザー治療や各種ピーリングは対症療法なので、その場しのぎになってしまいがちです。顔面の皮下組織の余分な厚みやムラがあると、特に毛細血管が細い女性では血流が淀んで酸素や栄養素、免疫細胞が隅々まで行き渡りにくくなることがあり得ますので、元より脂肪吸引も御希望であったこの方には結果的に一石二鳥以上の副次的効果を齎しました。但し、譬えVASERと雖も熟練した技術がなければこの様な結果は伴わないでしょう。確かにAFTERは薄い化粧をしていますが、地肌から改善しているのでノリも違います。 |
症例② 27歳 中国人 女性
他院手術歴 4歳時:右頬の裂傷 縫合 26歳時:上眼瞼脱脂&埋没法 |
希望デザイン テレビの特集番組で顔面の脂肪吸引術後にお肌と目鼻立ちがキレイになっている人を見て、顔全体の脂肪吸引と脂肪注入をしたくなった。 |
方法 VASER 通常モード 脂肪吸引(全顔面) &脂肪+PRM 注入(鼻・顎・インディアンライン) |
Dr.コメント この方は日本在住の中国人女性症例ですが、時が経過するにつれて肌質が益々改善してゆくのが見て取れます。脂肪吸引による小顔効果とリフトアップ効果に加えて、お肌の色・ツヤ・ハリが良くなってシミ・雀斑・肝斑等の色素沈着も消退してきています。中国に住んでいた頃は特に、大気汚染や水質汚濁、食品添加物や環境ホルモン等の増悪因子が優っていたのか終ぞ自己回復の機会が逸してしまった様ですが、たまたま日本で見たテレビ番組特集が、彼女の人生の予後をここまで劇的に変える契機になるとは思っていなかったとのことです。あとは生活習慣で破壊や増悪因子を増やさずに、折角改善されたコンディションを維持し続けてもらいたいです。尚、万一悪化した場合は当院でメンテナンス可能です。 |
症例③ 42歳 女性
他院手術歴 40歳時:HAPPYLIFT4本+頬への脂肪注入 41歳時:顎・法令線へのレディエッセ注入&頭部にチタンペック挿入しその後頭痛と高熱発症 |
希望デザイン 頬下部から下顎にかけて、タルミが気になる。丁度マスクで覆われる範囲の肌荒れが止まず、アゴの梅干しジワも含めて、ダウンタイム期間が得られている間に改善できるものならついでに治しておきたい。 |
方法 VASER 通常モード 脂肪吸引(頬下部~下顎) &脂肪+PRP+PRM 注入(インディアンライン・ほうれい線・マリオネットライン・アゴ先端) |
Dr.コメント この方はコロナ禍での手術ではありませんでしたが、偶々丁度マスクで覆われる範囲の吸引をされた方なので、このご時世での参考になると思い提示しました。シワ・ミゾ・タルミに加えて(写真では判りづらいですが)紡錘形に拡大しつつある毛穴やクスミ、色素沈着、いつ再発するか分からない口唇周囲の吹き出物や(この方はヘルペスではありませんが)ヘルペス等も潜在的なトラブル要因となります。何をしても解決できないお肌のトラブルに悩まれている方々にとって、完全オーダーメイドで細胞レベルのVASER脂肪吸引こそ根本解決でき得る一つの選択肢であると自信をもってご提案致します。 |
肌質を根本から改善させられる美容医療施術はないの?(中編)
当院では肌質を根本から変えられる方法は4通りございます。一つ目は当院で偶然発見した事実なのですが、当院で顔面の脂肪吸引手術を受けられた方々の内、数ヶ月後まで確認ができたモニター様やリピーター様などのほぼ全例が、年齢を問わず肌質が良くなっている事実です。色(美肌)・ツヤ(肌理)・張り(スキンタイトニング)が良くなり、新たなニキビや吹き出物が出なくなり、保湿力がアップして化粧のノリがすごくいいと、皆様異口同音に仰います。そこで私は或ることに気づきました。
お肌の血流が脂肪吸引後で良くなっている!色・ツヤ・張りに加えて、お顔の血色が全例とも間違いなく良くなっているのです。
思えば男性よりも女性の方が一般的に血管が細くできていて、肌細胞すみずみまで酸素や栄養素が普段から行き届きにくく老廃物、色素や毒素などの沈着物が肌細胞の隙間に停留して回収や代謝分解が進みにくい(※)のではないだろうか。確かに毎日毎日化粧水を刷り込む努力をしているのも、岩盤浴に通いデトックスを好むのも、サプリやミネラル摂取に貪欲なのも、大抵女性が主流です。各個人の顔面状態にマッチングさせたVASERによる脂肪吸引によって顔面の皮下組織のムラを㎜以下単位で均一にして、真皮まで万遍無く血流をリモデリングさせることができれば、上記(※)を改善できて細胞レベルでの賦活化が恒久的に維持できるのではとの結論に至っています。免疫細胞も行渡り易くなるからこそ、ニキビや吹き出物も抑制され、内因性の破壊因子を減らせているので肌組織老化の進行を食い止めているのなら、医学的に充分に説明がつきます。
第二の方法は当院で改良した「ネオ・ダーマローラー」です。ダーマローラーとは、メソローリング手法の一法で近年ドイツで誕生し約200本のスパイク状のスチール製マイクロニードルローラーを表皮の上で転がして毛穴よりも小さい極微小の刺傷を真皮表層に無数に作り出す手法です。人間本来が持つ創傷治癒のメカニズムによって真皮下の線維芽細胞の活性化を促し、新しい組織(コラーゲンやエラスティン、毛細血管網や間質組織=ヒアルロン酸が保てる構造など)が形成されることと代謝が促進されることで、シワや色素沈着が減少するなど皮膚状態を改善させ、張りのある新しい肌に再生させるという施術法です。ダーマローラーは細胞を不可逆的に破壊するケミカルピーリングやレーザーと違い、天然保護バリアである真皮深層細胞を壊すことがありません。そのため色素変化等のリスクが殆ど無いのが最大の長所です。当院ではダーマローラーに組織再生プロトコールに沿う独自の56種類の栄養素を配合した肌栄養成分を浸透させて、組織のより一層の再生を促しています。これを「ネオ・ダーマローラー」と命名しています。当初はコラーゲンなどの蛋白質寿命である1年程度の作用期間だと思われていましたが、ニキビ痕のクレーター・水疱瘡痕・傷跡に関しては、真皮浅層と表皮レベルで刺傷による微細な凹凸の均しと面積の縮小が恒久的に維持できていることが、モニター様の肌を子細に観察している内に判明して参りました。
第3・第4の方法は本リンク先の別記事にて紹介しています。是非ご覧下さい。
ハイリスク頬骨削り(骨切)やオトガイ骨削りの代替法とは?
小顔形成や輪郭形成目的で行われる頬骨削り(骨切)や下顎骨削り、オトガイ骨削りやセットバック等顔面の骨を切断または削る手術には高いリスクが伴います。顔面神経や三叉神経切断または障害による顔面神経麻痺、感覚神経障害がひとたび起こると、末梢レベルの障害を除いて不可逆的な後遺障害となることがあります。瞬きがしづらくなった、ウインクができなくなった、口唇周囲の感覚が鈍くなった、油断していると口が開きっぱなしになる、口腔内に唾液がいつもたまりやすくなった等の主訴が時折見受けられます。それ以外にも顔面の輪郭線や頬の位置や形状に左右差が生じた、下顎骨ラインが凸凹した、口角が下がりへの字口になった、ブルドッグの様なタルミが出現した等の不本意な結果になることもしばしばあります。前2者は骨削り(骨切り)の際に亀裂骨折が生じたり、術者が切離後のイメージデザインができていないか術者の意図していない方向に切離されてしまったりすること、後2者は顔面を形成する土台である骨のボリュームが減少すると、その上に構築されている表情筋群や皮下組織が雪崩現象で重力によるドロップダウンが生じることが原因です。
当院では骨削り手術は鼻骨のハンプを除いて行っておりませんが、顔面輪郭に関しては頬骨上やオトガイ周辺の皮下脂肪を適切に㎜以下単位で吸引する技術で骨削りと同等かそれ以上の効果(より低リスクである上にタルミは寧ろ引き締まります)を引き出すことを企図した代替法がございます。結果的に頬骨やオトガイ骨を削らなくても済んだ方も多く、骨削り後に小顔効果が不充分な方やタルミが生じた方にも適応があり、更に吸引脂肪をコメカミやインディアンライン、顎先端等に4Dデザイン注入すればリフトアップも可能です。
脂肪吸引の中でも実は顔面の脂肪吸引が最も難易度が高い
貴方の元々の顔面の形状(骨格や筋肉を含む)や皮膚のコンディション(ニキビや毛穴、肌理等)、組織組成(脂肪だけでなく線維組織)、皮膚と真皮の張り感や加齢シワとの関連に加えて、貴方が過去にどの様な施術を受けてきたのか、受けていた場合の現状の問題点がどの程度どの層で生じているのか、更に貴方が口頭で仰る理想の仕上がりも詳細まで全て計算に入れて、恰も人工知能の様に㎜以下単位でデザインし、1度の手術で完成させる技術が問われているからです。つまり要所要所で吸引しすぎても取り足りなくても、後遺障害を残してもダメなのです。
顔面脂肪吸引修正or注入でのNG手術とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて
- 吸引後の陥凹部の触診 or 皮膚の伸展度をシミュレーションしない
- 吸引部の陥凹の原因が、癒着なのか取りすぎなのか判断を間違う
- 吸引部に異物の残存があるか確認せずに脂肪注入を薦められる
- 陥凹部にはヒアルロン酸等のFillerの注入しかないと断言される
- メスでタルミ切除 or フェイスリフト手術しか方法がないと断言される
- 削られた部位・コメカミや顎等にシリコン等の異物挿入を薦められる
- バッカルファット除去・レーザー照射・Filler注入等を先ず薦められる 等、どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!
顔面骨削り手術で失敗されるとこうなります!
骨削りやセットバック等の手術は費用だけでなく、不可逆的な後遺障害が発生しやすい大掛かりな手術です。顔面神経損傷による永続的な表情筋群の麻痺、三叉神経損傷による感覚鈍麻や痺れ、望まない部位の亀裂骨折の波及、咬合障害、左右差、万一の深部感染、そしてタルミや陥凹、シワ口角下垂等です。当院では、ハイリスクである骨削り手術の代替法も幾つかご提案しております。貴方のお顔の替わり(スペア)はありませんので、目的が叶うならより適切な手段を選択して下さい。