二重瞼形成で埋没瞼板法や2点固定がダメな理由と背景
成人までに自然に二重にならなかった方々の多くは、皮膚の肥厚、皮下脂肪の厚み、眼窩脂肪の厚み、蒙古ヒダのツッパリ、挙筋や腱膜の弛緩等が原因だと思われますが、その瞼に2点(3点でも同様)固定糸のみの瞼板法(布団の躾縫いの原理)による陥入線で折り畳みグセを付けようと試みたとして、所詮不安定となります。一日数千回も瞬きをする上眼瞼にかかる負荷は相当なものなので、まして皮膚炎や結膜炎、コンタクトレンズやメイク、泣く、強く瞑る等で腫脹や擦過により糸が切れる解ける、喰い込んで緩むこともしばしばです。更に、瞼板法の糸の刺入ルートは浅く、裏面で眼球に接するため糸の露出が起これば眼球にも障害が及びます。
下記の方々は
Q1:どこの部位が失敗されたのでしょうか?
Q2:失敗した理由は?
Q3:どうやって治したと思いますか?
→正解はこのページ内に記載しています
症例① 21歳 女性
他院手術歴 21歳:涙袋ヒアルロン酸注入 21歳:埋没法(3点留め) |
希望デザイン 左右差があり、ラインの形も平行型になっていないので改善したい。 |
方法 眼瞼形成術後修正(他院埋没法の修正) 1回目:目尻切開 2回目:新挙筋法2針4点+上眼瞼マイクロ切開脱脂 |
Dr.コメント 埋没法の3点固定(3点留め)という手技は、日本のどこかで誰かが思いついた方法だとは思いますが、瞼や睫毛ラインの曲線に沿ってカーブを任意に描くデザインをするには、固定点不足です。つまり2点固定でも3点固定でもラインが直線的になるかライン上で角が出てしまい、上記の術前の様なラインになってしまいがちなのです。当院では、(勿論例外はありますが)新挙筋法の標準術式は4点固定法を採用しております。 |
二重瞼形成でのNG例とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて
- 瞼板法を薦められる or 目頭から目尻まで長い糸の挿入術を薦められる
- 切開法を薦められる or 瘢痕修正目的で切開や切除法を薦められる
- 切開瘢痕の直下の凹みにヒアルロン酸や脂肪等の注入を薦められる
- 希望していない他の手術や眉下・眉上切開等を強引に薦められる
- 眼瞼下垂(疑い)の病名を付ければ保険診療可能だと薦められる
- 瘢痕治療にステロイドや脂肪溶解注射(失明リスク有)を薦められる 等、どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!
症例② 20歳 女性
他院修正歴 19歳時:逆睫毛治療目的に眼科医院で右側のみ治療した |
希望デザイン 二重のライン幅の左右差が目立つので改善したい。右側の睫毛が挙がりすぎ、左側が全く挙がっていないのをできるだけ揃えたい。 |
方法 眼瞼形成術後修正(他院埋没法の修正) 1回目:新挙筋法2針4点(右眼2針4点固定 左眼1針2点固定) 2回目:左側のみ 新挙筋法2針4点 追加 |
Dr.コメント この症例は最初、二重ラインの幅や形のみならず睫毛の挙上度が左右で著しく異なっていました。前医での右側の治療のためか、右目頭側の蒙古ヒダ裏の牽引度が比較的強かったので、無理に平行型にはしませんでしたが、極力睫毛ラインの根部までかからない様に丸みのある二重ラインに変更しました。 |
二重瞼形成で失敗されるとこうなります!
瞼板法は軒並みラインが浅く長持ちしづらいでしょう。目のゴロゴロがずっと続いて治らない方もいらっしゃいます。また、瞼板法の2点3点固定では、それぞれ直線的または三角の二重ラインになることもよくあり、目つきがきつくなりがちです。曲線のライン形成には少なくとも4点必要です。Designがいい加減またはマニュアルの様な(例えば睫毛からの距離が〇〇㎜等の)紋切型のデザインだと、仮に左右同じところにデザインされていたとしても、術後の結果で別の左右差が生じることがしばしばです。これは、Dr.が瞼を2次元平面でしか捉えていないからで、本来の瞼は3D+動きの次元があるので4Dデザインをしなければなりません。
症例③ 30歳 女性
他院手術歴 21歳時:両側 埋没法(2点固定 瞼板法) 27歳時:2回目 両側 埋没法(2点固定 瞼板法) 30歳時:目尻切開 |
希望デザイン 先ず目の大きさを大きくしたいが、特に右側の目の横幅を広げたい。以前他院で受けた埋没法が変に食い込んで、特に右側の目の開きが却って悪くなったので、次に腫れぼったい瞼も解消して目の開きも大きくして左右差を治してもらいたい。 |
方法 眼瞼形成術後修正(他院埋没法の修正) 1回目:右側のみ目尻切開 2回目:新挙筋法2針4点(右眼)+上眼瞼マイクロ切開脱脂(右眼) 3回目:新挙筋法2針4点(左眼)+上眼瞼マイクロ切開脱脂(左眼)+目尻切開(左眼) 4回目:両側目頭切開 |
Dr.コメント この症例も二重ラインのみならず睫毛ラインの形状や開眼度、腫れぼったさや目尻の形に至るまで、左右差が著明にありましたが、右瞼と左瞼を別々のタイミングで修正することを希望されました。各OPのダウンタイム期間を過ぎなければ次の手術時のデザインが狂うため、充分に間隔を空けて合計4回の手術でほぼ、瞼の腫れぼったさ改善と開眼度UP、そしてご本人様が満足されるほどの左右対称性を形成することができました。 |