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脂肪吸引「大腿後面の脂肪吸引だけで桃尻に形成する」編

大腿後面を吸引するだけで桃尻に形成するには
個別の臀部下縁に桃の様な3D曲面+1Dを如何にグラデーション彫刻できるかがポイント!

今回の記事で御紹介する各症例のデザインにおけるヒップラインの線はどれも一見すると直線的です。それは御本人様の現行のヒップラインを描いているだけで、実は、吸引時には曲線になる様に私の頭の中だけでもう一つの曲線ラインを描きながら(つまり個別のヒップボトムラインにピーチの様な形状を透過しながら)、実際には術中に局所麻酔薬で膨張した大腿から正確に4D(当院では3D+動的な時間次元の1D)彫刻をする様なグラデーション吸引をしているのです。

ミケランジェロのピエタ像は一塊の大理石から彫刻のみで完成され、中国人の木彫りの達人は大木片から生き生きとした龍の動きを見出します。大腿部のみを吸引するだけで桃尻に仕上げるには、確かにそれら先達の技術程繊細ではないかも知れませんが、彫刻の対象が生きた人間でしかも個体差の幅が大きく、静的ではない(=骨格や筋肉の動きに連動する動的な彫刻)という点で別のレベチな難しさがあります。タルミや凸凹、左右差やダブルヒップライン等、全て個体別のオーダーメイド吸引手術を、しかもたった一回で完成させなければならないのです。吸引後にどう(圧迫補正下着等で)固定されるか、血腫や線維化がどの程度生じるのか等の個別のファクターも先読みしなければ、御本人様の理想通りには仕上がりません。

症例① 32歳 女性 148cm 43.4kg 体脂肪率21.1%

脂肪吸引 桃尻形成01
他院手術歴:なし
希望デザイン
豊胸のために採取する脂肪を大腿後面部位のみからの吸引でとご指定され、デザイン時についでにヒップラインを左右合わせて丸く補正することを御希望。
方法
VASER2.0通常モード吸引 大腿後面+バストフルプレミアム☆フルセット注入
吸引量:大腿後面(右:550ml 左:530ml) バスト注入量(右:288㏄ 左:260㏄)
Dr.コメント
2013年3月当院にて新型VASER通常モードを用いて、豊胸目的と桃尻形成目的で大腿後面の脂肪吸引手術を行った方です。臀部下縁ラインを曲線にグラデーション吸引することは当然として、大腿外側にかけて吸引した剥離層を臀部外側に向けて再癒着させることにより(そこに脂肪注入したかの様な)ボリューム感を引き出させることができることを、数々の経験に基づいて承知しているので、上臀部外側には脂肪注入せずに済んでいます。この記事の③番目の症例(③番の方は他院で豊胸に充分な量の吸引ができないと言われている)以上にこの方は痩せ型なので、本来は吸引自体に凸凹やタルミ、ダブルヒップライン出現などの不都合やリスクがあり、事実この部位を他院で失敗された方の修正が後を断たない程です。

症例② 22歳 女性 160cm 64.9kg 体脂肪率31.4%

脂肪吸引 桃尻形成02
他院手術歴:なし
希望デザイン
運動しても痩せにくく、VASER脂肪吸引で何とかしたい。ズン胴な体型なのでメリハリがついた体型にしてもらいたい。
方法
1回目:VASER Vent-X 通常吸引(大腿全周・上腕~肩周囲)
2回目:VASER Vent-X 通常吸引(全腹部・腰部)
吸引量:
大腿表(右:930ml 左:900ml)
大腿裏(右:970ml 左:1000ml)
上腕~肩周囲(右:400ml 左:370ml)
全腹部(1500ml)
腰部(右:750ml 左:750ml)
Dr.コメント
2011年6月当院にてVent-X(旧型VASER)通常モードを用いて、1回目に痩身目的と桃尻形成目的で大腿全周(同日上腕~肩周囲も吸引)の脂肪吸引手術を行い、その約1ヶ月後に2回目に上腹部と腰部の吸引を行った方です。御本人様の御希望にもありますが、所謂「ズン胴体型」をメリハリボディーにするには彼女の皮下脂肪の奥に埋もれている躯体のフォルムを透過した上で、ミケランジェロの彫刻の如く必要かつ充分な吸引をたった1回で完遂させなければならず、更に骨格や筋肉の動きにうまく連動させる癒着を(合併症予防や持続的圧迫固定等で)完成させなければなりません。御希望により臀部の脂肪は丸々残して次に腰腹部の吸引も行っていますので、御本人様が満足されるメリハリが効いた肢体になりました。

臀部や大腿の脂肪吸引で事前に名医を見抜くポイントは?

元々大腿後面と臀部はフィジカルに連続している部位ではありますが、ヒップラインを境界として立体的な構造が変化している部位でもあります。つまり、大雑把に言えば「球体」と球体の直径よりも小さい直径の「円柱」が境界線を境に合体して連続している様な構造です。大抵の吸引担当医は(患者が伏臥位で受ける)脂肪吸引の際に、吸引管の挿入深度、角度、吸引対象の層(レイヤー)がヒップラインを境にしながら内側と外側で劇的にまたはグラデーション的に連続して変化する部位であることを頭で理解していても、レイヤー毎の吸引が実際にはできておりません。伏臥位でカニューレを同じ層に挿入したまま一様に吸引し続けると、患者を立位させて診た時に(立体的でなく平面的な臀部となり)、おかしな仕上がりになってしまうのです。傷跡をつける位置を決める際にも、一般的に目立たないヒップライン線内に吸引孔を1カ所に設けながらも上下で異なる立体イメージに基づく吸引をしなければならない箇所とするのが諸条件を満たすセオリーです。

この両部位に跨る脂肪吸引で他院にて失敗される典型的なパターンとして幾つかの共通要因がございます。
❶吸引孔の痕跡(傷跡)が適切な位置に付けられていないこと
❷術者と御本人様との間で術前に充分な打合せがなされていなかったこと
❸術前にオーダーメイドデザインがなされていなかったこと
❹術中や術直後の確認がなされていなかったこと
❺術後の圧迫固定が不十分だったこと

などが挙げられます。これらの事実は全て御本人様達からの聴収で判明していることですが、同時にカウンセリング時にご本人様による予測が困難なことでもあります。手術直前に気付いても「まな板の上のコイ」となってしまうので、その様な失敗を避けるためにはせめて

①カウンセリング時に貴方自身の身体で診察を受けること
②具体的にどの様な修正技術で手術を予定されるのかを尋ねること
③術者による過去の似た症例の実績を幾つか見せてもらうこと
までは最低限しておかなければなりません。
④2ndや3rdオピニオンを求めて複数の医院に出向くこと
をお勧めします。実際当院で手術を決断された方の多くが、そうされていました。

症例③ 40歳 女性 49.0kg 体脂肪率22.9%

脂肪吸引 桃尻形成03

他院手術歴
2009年~2012年にかけて計10回程、両側バスト内に関節内注入用のヒアルロン酸を毎回100㏄前後注入し続けていた
希望デザイン
バストへ注入する脂肪を確保するために第一優先部位として大腿後面からの吸引をご指定される。痩せ型のために他院では満足な量の脂肪を確保できないと言われ続けていたので、本格的な豊胸も諦めていたがVASERで九野院長なら形よく吸引してくれると期待した。
方法
VASER2.0通常モード吸引 大腿後面+バスト内注入異物除去&バストフルプレミアム☆フルセット注入
吸引量:大腿後面(右:575ml 左:575ml)
バスト注入量:右350㏄ 左305㏄
Dr.コメント
この方も症例①の方と同時期の2013年3月に当院にて新型VASER通常モードを用いて、豊胸目的と桃尻形成目的で大腿後面の脂肪吸引手術を行った方です。元々明確なヒップラインが認められず、大腿内側の間隙も広い目の方でしたので外側を中心に広く薄く万遍無く、豊胸に必要な脂肪や脂肪幹細胞等の自己組織を採取する必要がありました。加えて、境界曲線=ヒップラインの無いタイプの桃尻形成は初めての試みでもあり、仕上がりの予測が難しかったのを覚えています。ヒップライン自体の形成は特段御希望されていなかったので、敢えて溝を掘らずにミリ単位のグラデーション吸引技術を駆使して、3Dで桃尻(丸い形状を)形成しました。

臀部脂肪吸引修正or注入でのNG手術とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて

  1. 診察時に臀部陥凹部の触診 or 皮膚の伸展度をシミュレーションしない
  2. 吸引部の陥凹の原因が、癒着なのか取りすぎなのか判断を間違う
  3. 各人の大腿の動きや大殿筋量を計算に入れたデザインをしない
  4. 吸引された同じ層に大量のヒアルロン酸や脂肪の注入を勧められる
  5. 臀部用シリコン(感染や痛みのリスク高)を挿入することを勧められる

等、上記どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!

臀部の脂肪吸引で失敗されるとこうなります!

当院で臀部の他院脂肪吸引後の修正をした方の中には、左右差が(元よりも)悪化するに留まらず凸凹やタルミ、シワが増えて一気に下垂した方や、水着が着れなくなった方、坐骨神経痛になって治らなかった方、ダブルヒップラインや臀部外側が男性の臀部の様に陥凹が見られた方等がいらっしゃいました。どんなに有名なクリニックでも慎重にDr.を選んで下さい。臀部や大腿の脂肪吸引は、デザイン時からAIの様な正確な予測と4D(3D+動態)で吸引や注入が、完全にオーダーメイドで正確にできなければうまくゆきません。

臀部脂肪吸引のリスク・問題点・合併症とそれらの対策
1.合併症や副作用と軽減または予防法
  • 局所麻酔の副作用は、アレルギーと麻酔中毒(頭痛・嘔気・眩暈・呼吸抑制・意識混濁などの中枢神経症状)が殆どで、アレルギーは問診や皮内反応で対応でき、中毒は手術を中断した上で点滴治療をすれば通常回復します。
  • 術後2~3日以内は打撲痛程度、その後数週間は筋肉痛程度の軽度の痛みが続きますが、通常全て軽快・自然治癒します。
  • 麻酔による腫れがひくのに通常は数日間、炎症による腫れや内出血のダウンタイム(治癒期間) は平均2~3週間程度です。
  • 線維化による癒着、凸凹、シコリ、ツッパリ感などは、術後数ヶ月の内に自然軽快しますが遅延の場合には溶解注射で治します。
  • 傷跡は各吸引部位に1~2箇所ずつ直径5~15mm程度の傷がつきます。この傷は残りますが数ヶ月~1年程で目立たなくなります。目立たなくさせるために、7日後の抜糸時より、テーピング約1ヶ月間を施します。
  • ごく稀に傷が開いたり、かさぶたを剥がしたりすると肥厚性瘢痕になることもあります。
  • レーザーや日焼けで色素沈着(シミ)が起こることもありますがこれも稀です。
2.ごく稀な合併症
  • 血腫、感染(化膿)、排液貯留、凹凸、タルミなどに対しては適切な圧迫固定と服薬等の注意事項遵守で予防します。
  • 血腫や排液貯留、感染が生じた場合(ごく稀)のダウンタイム(治癒期間)は更に数週間かかることがあります。
  • 数週間~数ヶ月続く神経鈍麻が生じた場合、治癒遅延が生じた方でも数ヶ月以内に自然軽快してきます。
3.禁止事項
  • 術前夜:飲酒をしないで下さい。
  • 術日朝:静脈麻酔を御希望の方は食事を控えて下さい。常用薬はカウンセリング時に服用是非をご確認しておいてください。
  • 術後3日~7日:入浴・飲酒・刺激物摂取・運動 ・洗顔やクレンジング時の擦過(シャワーは翌日から可能です)。
  • 術後2~3週間:吸引部のマッサージや殴打等
4.術後の必須事項とした方がいいこと
  • 術後4日間 24時間はテーピング固定必須期間があります。
  • 術後7日間 24時間はストッキングやウエストニッパーなどの装着必須期間があります。
  • その後数週間は更に起きている間(12時間以上)圧迫を続行する方が更に浮腫みが引締ります。
  • 通常、7日後の吸引部位の抜糸が終われば傷にテーピングを施します。約1ヶ月間続けて下さい。
  • 手術後当日のみ  15分毎にクーリング(冷却) 15分毎と安静
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