二重瞼形成で埋没瞼板法や2点固定がダメな理由と背景
成人までに自然に二重にならなかった方々の多くは、皮膚の肥厚、皮下脂肪の厚み、眼窩脂肪の厚み、蒙古ヒダのツッパリ、挙筋や腱膜の弛緩等が原因だと思われますが、その瞼に2点(3点でも同様)固定糸のみの瞼板法(布団の躾縫いの原理)による陥入線で折り畳みグセを付けようと試みたとして、所詮不安定となります。一日数千回も瞬きをする上眼瞼にかかる負荷は相当なものなので、まして皮膚炎や結膜炎、コンタクトレンズやメイク、泣く、強く瞑る等で腫脹や擦過により糸が切れる解ける、喰い込んで緩むこともしばしばです。更に、瞼板法の糸の刺入ルートは浅く、裏面で眼球に接するため糸の露出が起これば眼球にも障害が及びます。
その左右差、切開や注入せずに治したい!
症例① 22歳 女性
他院手術歴:なし |
希望デザイン 右瞼を二重にして、目の開きの大きさも形も左右差を改善したい。 |
方法 右側のみ 新挙筋法2針4点固定 |
Dr.コメント 右側の開眼がしやすくなると、左瞼もそれに連動して開眼がしやすくなったとご本人様が仰っています。恐らく、人間が日々無意識に行っている瞬きの瞬間瞬間にも、上眼瞼挙筋だけでなく皴眉筋や鼻根筋、前頭筋や眼輪筋等の眼の周囲の表情筋群を連動させているか関連ついていると考えられます。例えば逆に切開瘢痕で瞼に引攣れや米粒大の硬い腫瘤ができただけで普段当たり前のようにしている開閉眼に障害をきたし、眼の周囲が疲れやすく慢性の頭痛や肩凝りに苛まれる方もいらっしゃいます。眼瞼の左右差改善は美容目的のみならず身体の健全さを保つ上でも重要だと思われます。 |
二重瞼形成でのNG例とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて
- 瞼板法を薦められる or 目頭から目尻まで長い糸の挿入術を薦められる
- 切開法を薦められる or 瘢痕修正目的で切開や切除法を薦められる
- 切開瘢痕の直下の凹みにヒアルロン酸や脂肪等の注入を薦められる
- 希望していない他の手術や眉下・眉上切開等を強引に薦められる
- 眼瞼下垂(疑い)の病名を付ければ保険診療可能だと薦められる
- 瘢痕治療にステロイドや脂肪溶解注射(失明リスク有)を薦められる 等、どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!
症例② 25歳 女性
他院修正歴:なし |
希望デザイン 左瞼のまつ毛ラインと二重ラインを右瞼に合わすことをご希望。 |
方法 左側のみ 上眼瞼マイクロ切開脱脂&新挙筋法2針4点固定 |
Dr.コメント 他院では切開法を勧められた様ですが、当院ではご本人様の御希望に沿うよう皮膚切除をせずに瞼の左右差を改善することだけに終始しました。その際、人間の上瞼は2次元(2.5次元のアニメでも構いませんが)の平面構造でできているわけではなく、3Dの立体構造に加えて開閉眼の動きの次元を考慮に入れた4Dデザインを必要とするため、術前シミュレーションを施すと、結果的に彼女には上記術式が適応となりました。脱脂と新挙筋法の複合手術を左瞼のみに行い、かつ奥二重の幅も形も開眼度も右側をお手本にして(可能な限り完全に)一致させる必要があるため、術前にこうなることを正確に予測することとその通りに再現できる技術精度が要求されます。 |
二重瞼形成で失敗されるとこうなります!
瞼板法は軒並みラインが浅く長持ちしづらいでしょう。目のゴロゴロがずっと続いて治らない方もいらっしゃいます。また、瞼板法の2点3点固定では、それぞれ直線的または三角の二重ラインになることもよくあり、目つきがきつくなりがちです。曲線のライン形成には少なくとも4点必要です。Designがいい加減またはマニュアルの様な(例えば睫毛からの距離が〇〇㎜等の)紋切型のデザインだと、仮に左右同じところにデザインされていたとしても、術後の結果で別の左右差が生じることがしばしばです。これは、Dr.が瞼を2次元平面でしか捉えていないからで、本来の瞼は3D+動きの次元があるので4Dデザインをしなければなりません。
症例③ 24歳 女性
他院手術歴:瞼の整形歴なし |
希望デザイン 上瞼のタルミを解消させて二重ラインをパッチリさせたい。目の開きの左右差も改善させたい。 |
方法 1回目:両側 新挙筋法2針4点+マイクロ切開脱脂 2回目:両側 目頭切開LevelⅢ 完全オーダーメイドZ形成皮弁術 3回目:両側 下眼瞼経結膜下脱脂術 |
Dr.コメント この症例は二重幅の修正に留まらず、それが上手くゆくと今度は4年以上の経過の中で結局ご自身の納得がゆかれるまで目のカタチをとことん追及された方です。アーモンドアイへの形状変更と目元の若返り目的に、三角まつ毛と眼の下のクマの改善を目的とした複合手術を、ご本人様の御希望に対して忠実に行いました。目頭の傷跡も全く目立たず、目の縦横幅拡大と目元の表情の改善が見受けられ、術前と比較して挙筋力だけで楽に開閉眼ができているのも写真から見て取れます。 |