症例① 29歳 女性
他院手術歴 27歳時:鼻の形成で有名な美容整形医院で骨切幅寄せ&ハンプ(鼻骨削り)手術&鼻尖部への耳介軟骨移植術 |
希望デザイン 以前ハンプ(鼻骨削り)手術と鼻尖部への耳介軟骨移植術を受けたが、希望通りに全く細くなっておらず鼻先も固く膨らみ過ぎているので、鼻全体の幅を細くしながら鼻先を鼻翼との境目のクビレ線が出る程度まで細くしたい。 |
方法 骨切幅寄せ&骨削り(ハンプ)&鼻尖部耳介軟骨再加工移植&鼻尖軟骨切除再移植 |
Dr.コメント この症例は、2010年当時鼻形成で有名だった美容整形医院の術後修正症例です。骨切り幅寄せをしたという割に鼻骨幅がまだ広く、骨棘も不整形に残存していたので、ハンプと骨切幅寄せ手術を行いました。一方で鼻尖部にも移植された耳介軟骨の周囲で高度な線維化が生じていたので、ややアップノーズ過多で団子鼻が強調され気味でした。残存させるべき耳介軟骨片をトリミングしつつ両側の鼻尖軟骨を切除し、生きた軟骨組織のみを用いて鼻スジをリモデリングしました。シリコンやゴアテックス等の異物、新たな耳介軟骨片を一切用いずにトリミングと再移植だけで、ご本人様の御希望通りに仕上げることができました。 |
骨棘削り・ハンプ(鼻骨削り)・骨切幅寄せ手術のポイント
骨棘(こつきょく)とは、主に骨端部に生じる骨過形成等が原因で棘や瘤状に凸凹しているためそう呼ばれています。特にそれのみでは病気でも異常と呼ぶほどでもありませんが、時折鼻骨縁付近の硬い凸凹が気になるので除去して欲しいとご希望される方がいらっしゃいます。骨棘を削るだけなら主に鼻骨本体を切除するハンプよりもリスクやダメージは低いのですが、左右差がある場合などは削るボリュームを予め厳密に計算してデザインしなければ却って別の左右差が生じることもあります。
骨棘削りもそうですが、ハンプや骨切幅寄せ手術も全てブラインドで行う大工作業の様な手術です。デザインするとは言っても外見からのみのデザインになり、X-PやCT、MRI等で事前に画像診断しておくことも確かに一部の医師によって推奨されますが、殆どの現場では画像診断をされずに職人の指先感覚のみで行われています。一歩間違えると亀裂骨折や陥没骨折、動脈性の出血や副鼻腔炎併発等のリスクもあり得ますが、術中確認のための画像診断ができない以上、その方向での技術の陶冶が進んでいるのです。
少なくとも、担当医に過去の実績やあなたのご希望に沿った術式が充分にあるかどうか、カウンセリング時に具体的にどこをどうすればどの様になるのかをつぶさに確認することが重要です。
症例② 20歳 男性
他院手術歴 12歳時:バスケットボールで鼻頭を強打し、鼻骨骨折。大学医学部附属病院形成外科にて手術 13歳時:再びバスケットボールで鼻頭を強打し、2回目の鼻骨骨折。大学医学部附属病院形成外科にて再手術 |
希望デザイン 骨折の手術後もまだ鼻のつけ根が歪んでいたが、これ以上大学病院では治せないと言われた。鼻スジを真直ぐにして欲しい。 |
方法 鼻骨削り(ハンプ)&ハンプした鼻骨片を反転させて再移植 |
Dr.コメント この症例は、2012年に世界で初めて当院で行った手術です。外科の正書にも学会論文にも掲載されていない手技で行いました。従って、大学病院でも治療できないと言われたのも当然です。2度の骨折による癒合によって、接合面付近の骨の厚みが増大したことが原因だと伺えます。その肥厚化して突出している膨大部のみスライスカットして、左鼻翼上部の黒斜線デザインのところに反転させて外側鼻軟骨に接地させながら移植しました。デザイン時に凸と凹の直径や形状が偶々そっくりだった事実と、ハンプのみでは黒斜線部の陥凹まで修正ができないと判断したため、必然的にこの技法になりました。 |
鼻形成で失敗されるとこうなります!
鼻中隔を切断するOPEN法、または鼻翼外側に傷をつける手術、シリコンやゴアテックス・豚軟骨の移植、自己耳介軟骨や肋軟骨移植術、鼻尖を糸で結紮する手術を勧められた場合、その担当医がどんなに名医で有名でも、或いは過去の症例実績がどれほど素晴らしく自然で美しく見えたとしても、決してその様な手術は受けないで下さい。有名医師や鼻専門の医師の術後でさえ当院で鼻形成後の修正をした方の中には、当院の術前初見において、元よりも著しく醜形となっていた方が数多くいらっしゃいます。
症例③ 28歳 男性
他院手術歴 23歳時:鼻孔気道が閉塞ぎみだったので耳鼻咽喉科の開業医院にて鼻中隔軟骨を除去したが、その後少しずつ鼻の根元から変形が進行してきた |
希望デザイン 4~5件他院のカウンセリングを受けたが、あまり前例がないためかどれも納得がいかなかった。歪んだ鼻を永久的に根治して、少なくとも外見は真直ぐにしてもらいたい。 |
方法 鼻骨削り(ハンプ)&ハンプした鼻骨片を反転させて再移植 |
Dr.コメント この症例は(2012年に世界で初めて当院で行ったこの記事の2例目)同様の症状がある方の手術症例を当院HP(鼻整形専門ページ)でご覧になり、2016年に手術を行った方です。しかしながらその2例目とは原因も程度も全く異なり、鼻骨自体は比較的薄い方でしたので、スライスカットすべき体積もその下の黒斜線の反転再移植する陥凹の程度も相応のデザインで行わなければなりませんでした。反転させるのは、スライスカット面が表側にくることにより鼻スジの斜面を平たくさせる目的があるのと、凸面が裏側になることにより固定を安定させ易くする目的があるからです。 |
鼻整形・形成修正でのNG手術とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて
- OPEN法や外側切開法を薦められる or 希望していない手術を薦められる
- シリコンやゴアテックス、リフト糸の挿入・異種動物軟骨移植を勧められる
- 耳介や肋軟骨(粉砕しても凸凹・拘縮・石灰化リスク有)移植を勧められる
- 貴方の鼻の皮膚伸展度に合わない程の挿入物を希望または挿入される
- 硬くなった壊死軟骨や癒着、肉芽等をそのままにした状態で修正される
- 抜去と同時にヒアルロン酸や脂肪注入(漏出変形リスク有)を薦められる
- 不溶性Filler注入を勧められるもその医師が万一の場合に除去ができない 等、どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!