日本人の腰背部吸引では腰の括れ位置を低く設定しすぎないことがポイント
日本人の腰の位置は(特に更年期となり女性ホルモンのバランスが崩れてくると男性と比較して女性の方が)年齢を重ねるにつれて次第に高くなってゆく傾向があります。確かに中にはスカートの腰ベルトの位置が脇腹近くまで上がっている人も時折見かける程です。しかし、だからといって腰背部の脂肪吸引においては、ウエストのクビレ形成デザインの際に骨盤の一部である腸骨稜までクビレの位置を下げすぎて設定してしまうと、今度は(とりわけ日本人では)胴長短足に見えてしまうこともあるのです。主に欧米人の体型をデザインすることに長けているVASER Teamのライセンス講義では、黄金比基準に価値を見出しておりましたが、匁(もんめ)比が標準といわれる日本人にはそのまま当て嵌めることが必ずしも正解ではありません。故に、当院では日本人の体型と個人個人の体格に合わせたTailor-madeのデザインを施し、グラデーションをかけたS字(Sigmoid)曲線をなだらかに吸引することで独自に解決を図っております。一方で、背部や腹部側のウエストも吸引する場合とそうでない場合にも吸引範囲の境界部付近で段差やタルミが却って目立つ吸引を避けるためと腰を捻った際に生じるツイスト線を改善させるための特殊なデザインのマージンをその都度設ける必要があります。本来は(例えば美容室でスキバサミを用いてトリミングカットするかの如く)貴方の身体にこれ以上ない程にFitし段差なく馴染ませるべき筈なのに、残念ながら当院に修正で御来院される殆どの方はそれがなされていないのです。
症例① 22歳 女性
他院手術歴:なし |
希望デザイン 何をやってもなかなか痩せないので、VASERの(超音波)最高級モードでウエストのクビレを最大限につくりたい。少しぽっちゃりしたお腹もすっきりさせたい。 |
方法 1回目:VASER通常吸引(上腕・肩周囲・大腿全周) 2回目:VASER通常吸引(腰部)+超音波根こそぎ吸引モード(全腹部・腰部) 吸引量:腹部1500ml・腰部1500ml |
Dr.コメント この方は2回に分けて約1ヶ月の間を空けて短期間に上記範囲の吸引を計画された方です。超音波根こそぎモードで適切にムラなく吸引されると、その方の躯幹(腰背筋)ギリギリまで吸引可能で(このケースでは背部は吸引しておりませんが)タルミやツイスト線の境界部もなだらかなS字を創り出すことが可能です。デザインの黒丸斜線部は、この方の仙骨のクボミに相当する部位で、俗に「腰エクボ」と呼ばれる自然な陥凹部で、傷跡は隠れる部位が無いため敢えて非対称につけております。ご本人様からは「生まれて初めて腰にクビレができた」と喜んで頂きましたが、日本人では胴長短足に見えない様に括れの位置を下げすぎないことが重要です。 |
腰背部吸引ではクビレ形成と食み肉の根治、ツイスト時のタルミ改善がポイント
脂肪吸引の結果の良し悪しは決して機器の型や認定医資格の有無、知名度等で決まるものではありません。元々脂肪吸引技術は奥が深く、どの脂肪吸引も2度と同じ状況はありません。特にVASERの最先端機器を保有していたとしても、担当医が個別の条件に応じて細やかな設定ができなければ、宝の持ち腐れとなり被術者のリスクも増大します。約30㎝のカニューレやプローブ先端で超音波出力や吸引孔のコントロールをする際、手元で角度が1度でもズレると数㎝の誤差となります。超音波モード選択と出力、照射時間、組織深度、吸引圧と絶え間ない左手センサーによる瞬時瞬時の確認を、恰も人工知能の様に1度の手術で完成させる職人技巧が問われています。
腹部脂肪吸引でのNG手術とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて
- VASERライセンスの有無以前に担当Dr.に脂肪吸引の経験がない
- VASERまたは美容整形認定医ではないDr.がカウンセリングや手術を担当
- VASERまたは美容整形認定医でも経験が浅いかそのDr.の実績が乏しい
- VASERまたは美容整形認定医でも貴方自身の肩甲骨肋骨腸骨の位置と形状を描出しない
- VASERまたは美容整形認定医でも貴方のウエスト本来のクビレ位置を把握しない
- VASERまたは美容整形認定医でも非正統のデザイン(吸引孔の位置等) 等、どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!
症例② 33歳 女性 体重:58.6kg 体脂肪率:30.4%
他院手術歴:なし |
希望デザイン ズボンを履いた時のお腹の肉が気になるので、何回もお世話になっているKunoクリニックでVASER超音波脂肪吸引をしてもらいたい。 |
方法 1回目:VASER超音波根こそぎモード吸引(上腕・背・肩・肩甲骨上) 2回目:VASER通常吸引(腰部)+超音波根こそぎモード吸引(全腹部・肋骨上部) 吸引量 1回目:上腕(右350ml 左340ml) 背部(右300ml 左320ml) 2回目:腹部・肋骨上部(右800ml 800ml) 腰部(右750ml 左750ml) |
Dr.コメント この症例は6ヶ月のインターバルを空けて各部位の吸引を計画された方です。(2回目の手術の際には1回目の手術でついたモニターポイント分の割引がありますが)当院では御予算とダウンタイム、とりわけ線維化やタルミが生じ易い部位に対しては超音波根こそぎモードを割り当てる等のオーダーメイドの組合せを、御本人様が主体的にご要望して頂けます。このケースでは腰部に対しては超音波を用いなくても私の技術でカバーできるほどの脂肪の質感と厚みでしたので、結果的にほぼ根こそぎと同等の仕上がりになっていますが、他院術後修正やもっと脂肪がついている方、側腹部のタルミがある程度以上目立つ方等には超音波モードが適応になることもございます。 |
腰背部脂肪吸引で失敗されるとこうなります!
骨格周囲と背部全体には元来繊維組織が多く、硬くて吸引効率が悪いため取り残しやシコリ、引攣れやツイスト時のタルミ等の問題が最も生じやすい部位の一つです。ブラジャーの圧迫痕が残る食み肉が解消されずウエストのクビレ形成が不充分のままにされるならまだしも、失敗されると元の肢体よりも不自然な形状となり、自慢したい筈のボディーを隠さなければならず温泉や海水浴に行けなくなるばかりでなく、いつまでも軽快しない上記症状がやがて難治性となり、当院でも再Design手術が困難、または手術適応外になることがあります。
症例③ 45歳 女性 49.2kg
他院手術歴:なし |
希望デザイン 年齢と共に肉が付き始め腹部の3段腹とブラジャーが食い込む背部・側胸部の余分な肉を取り、以前のように細身の洋服を着こなしたい。 |
方法 VASER通常脂肪吸引(肋骨上部・側胸部) &VASER超音波根こそぎモード吸引(腹部・腰部・背部) 吸引量:腹部(右450ml 左450ml) 腰部(右360ml 左360ml) 背部(右510ml 左510ml) 肋骨上部・側胸部 (右350ml 左370ml) |
Dr.コメント この方も術前後で一見すると別人に見えますが、同一人物です。見分け方は両肘のシワの形状、および背骨の模様です。この症例も通常吸引と超音波を使うべきところに上手く使い分けてデザイン吸引を施しました。吸引前後の落差が大きければ大きい程、ツイスト線のタルミが生じやすくなりますが、VASER超音波モードは真皮と皮下組織を均一に縮めながら、まるで障子を張り替えるかの如く躯幹にFitさせることができるため、他の吸引ではできない程のSkin Tightning効果が得られています。背部の吸引では乳房外縁の丸みを形よく残しながら側胸部のはみ肉まできれいに取れるかがPointです。 |