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メスを用いない顔面の異物除去「拙劣糸リフト術後の諸症状治療」編

症例① 43歳 女性

糸リフト術後の治療1
他院手術歴
42歳時:額に非吸収糸(ミラクルリフト)を挿入
希望デザイン
前額を含む顔面全域に(当院の最新技術である)再生医療をしたいけど、溶けない糸が細胞の生着の妨げになるのなら、この際に(メスを使わずに)抜去しておいてもらいたい。眉が糸リフトのためやや過剰挙上気味なのでその分、瞼にクボミが目立つのもついでに改善したい。
方法
他院非吸収リフト糸を針孔だけで抜去
1ヶ月後に全顔面フルプレミアム☆フルセット注入
Dr.コメント
挿入糸の露出や引き攣れ等スレッドリフト特有の合併症が無くとも、過剰牽引による不自然な表情生体細胞注入時の生着の妨げになる問題が常に付き纏います。この症例の場合は特にリフト糸が非吸収糸で、尚且つ上眼瞼に陥凹を来す程度の眉挙上があったため、御本人様御希望により脂肪幹細胞による生体内再生医療術前に抜去することになりました。直線的なシンプルデザインによる2本の非吸収糸だったため、まだそれ程不自然な表情ではないですが、もっとリフトされていた場合は、眉がぐっと挙上したままになり常に驚いた様な表情で固定されていたことでしょう。

リフト糸術後の問題は切開せずに治せます!

他院スレッドリフト術後に問題が生じるパターンには、幾つかの典型があります。切らないと治せないと言われたら、切らずに治せる医師を探して下さい!そしてそうなる前に、下記の失敗の典型を知っておいて下さい。

  • 非吸収糸を挿入されること(抜去困難、HIFU等の温熱治療で顔面変形、糸素材の経年劣化で断片化等) 
  • 挿入デザインで往復やV型ではなく1本道( I 型)デザイン(糸断端が透けるか両端からの露出リスクが高い)
  • 紋切型デザイン(術前の個別・目的部位シミュレーションやオーダーメイドデザインがされていない)
  • リフトに必要な糸の数が不足または過剰本数、または既に異物が注入・挿入されている部位への糸貫通
  • 挿入時スパイナル針の運針技術が稚拙(挿入深度が一定でないために凸凹になる・ムンクや宇宙人の様な顔貌
  • 挿入時スパイナル針の運針技術が稚拙(表情筋群の貫通などによる頭痛・開口障害・痙攣・耳閉感・疼痛等)
  • リフト糸挿入範囲と同一部位の脂肪吸引・バッカルファットやジョウルファット除去・プチ整形等を同時併用
  • リフト糸挿入術後にHIFU・インディバ・サーマクール・レーザー治療等の温熱治療を受ける(顔面変形等)
  • リフト糸挿入後の合併症を治す名目で、ヒアルロン酸等のFillerで誤魔化されるか、切開されること

症例② 45歳 女性

糸リフト術後の治療2
他院手術歴
 42歳時(2020年)
頬と目の下に脂肪注入
 44歳時(2022年12月14日)
糸リフト(吸収糸)挿入。同月21日に左側のみ穿刺&カテーテルにて担当医により奥に入れる処置施行。2023年1月30日別のクリニックにて徒手整復施行するも結局、両頬の陥凹線が治らなかった
希望デザイン
両頬の糸の引き攣れと糸断端の突出を治したい。特に反対側に唇を寄せる等の特定の表情をした時の陥没線を改善させたい。
方法
両頬の挿入糸一部を針孔だけで抜去+特殊治療セット 4回+真皮再生注射(右 5回/左 8回)
※上記治療MENUには、FillerやFGFやコラーゲン等は一切入っていません
Dr.コメント
大抵の医院ではスレッドリフトの挿入をしてもそれによって生じる合併症を上手く治せません。切開しなければ挿入糸を取り出せないと開き直る医院も多く存在します。この方も当院受診前、上記2院以外にも別院2院に相談されていましたが、内1院は「治せない」、1院は「切開を要するがそれでも治り切るとは限らない」と言われています。特にこの方は挿入担当医の拙劣なスパイナル運針技術によって、真皮の一部が削り取られていましたので、糸抜去だけでは根治に至らず、欠損した真皮を再生させるのに治療回数が複数回かかり、殆ど治りましたが現在も治療継続中です。尚、真皮が欠損した陥凹線には、ヒアルロン酸等のFillerは無効であるばかりか、却って新たな凸凹を発症させるでしょう。

症例③ 45歳 女性

糸リフト術後の治療3
他院手術歴
 43歳時(2021年5月)
法令線下部に不溶性フィラー「エランセ」を注入された
 44歳時(2022年7月)
FGF入りのPRPを顔面各所に注入+スレッドリフトを片方あたり10本ずつ挿入。その後左側のみ6本追加
方法
エランセ穿刺排出+特殊治療セット4部位1回&2部位1回
Dr.コメント
スレッドリフト10本と左6本は明らかに過剰本数です。「船頭多くして舟山に登る」様に、担当医ですら適切な牽引のシミュレーションができなくなるでしょう。当院の技術なら片方3本ずつで充分な結果が得られます。しかも、挿入デザイン部位には以前注入された不溶性フィラーが内在しています。同一部位に複数の施術を施すと、一般的に不確定ファクターが増大して不測の合併症を生じせしめることに繋がります。現にこの症例でも過剰牽引による引き攣れと不自然な凸凹が随所に共存していたため、残存フィラーの穿刺排出と過剰牽引の解除および再発予防のための特殊治療を要しました。
顔面のシコリ治療のリスク・問題点・合併症とそれらの対策
1.合併症や副作用と軽減または予防法
  • 局所麻酔の副作用は、アレルギーと麻酔中毒(頭痛・嘔気・眩暈・呼吸抑制・意識混濁などの中枢神経症状)が殆どで、アレルギーは問診や皮内反応で対応でき、中毒は手術を中断した上で点滴治療をすれば通常回復します。
  • 痛みや腫れ、内出血に対しては術前の前投薬(シンネック)で軽減されます。
  • 術後2~3日以内は打撲痛程度、その後数週間は筋肉痛程度の軽度の痛みが続きますが、通常全て軽快・自然治癒します。
  • 麻酔による腫れがひくのに通常は数日間、炎症による腫れや内出血のダウンタイム(治癒期間) は平均2~3週間程度です。
  • 線維化による癒着、凸凹、シコリ、ツッパリ感等は、術後数ヶ月の内に自然軽快しますが遅延や再発の場合には更に特殊溶解注射で治します。(難治性のものは数クールかかることがあります)
  • 傷跡は各穿刺部位に1~2箇所ずつ直径数mmの針孔がつきます。この針後は暫く残りますが数週間で目立たなくなります。目立たなくさせるために、施術直後から軟膏塗布と小テーピング約2-3日間を施します。
  • ごく稀に針孔が肥厚性瘢痕になることもあります。レーザーや日焼け、化粧品の混入などで色素沈着(シミ)が起こることもありますがこれも稀です。
2.ごく稀な合併症
  • 血腫、感染(化膿)、排液貯留、凹凸、タルミなどに対しては適切な圧迫固定と服薬等の注意事項遵守で予防します。
  • 血腫や排液貯留、感染が生じた場合(ごく稀)のダウンタイム(治癒期間)は更に数週間かかることがあります。
  • 数週間~数ヶ月続く神経鈍麻が生じた場合、治癒遅延が生じた方でも数ヶ月以内に自然軽快してきます。
3.禁止事項
  • 術前夜:飲酒をしないで下さい。
  • 術日朝:静脈麻酔を御希望の方は食事を控えて下さい。常用薬はカウンセリング時に服用是非をご確認しておいてください。
  • 術後当日:入浴・飲酒・刺激物摂取・運動 ・洗顔やクレンジング時の擦過(シャワーは翌日から可能です)。
  • 術後2~3週間:治療部のマッサージや殴打等。
4.術後の必須事項とした方がいいこと
  • 術後数日間×24時間はフェイスマスク装着や特殊スポンジでカバーした方がいい場合があります。
  • 施術後当日のみ 15分毎にクーリング(冷却) 15分毎と安静。
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