上下眼瞼が腫れぼったくても脂肪溶解注射がダメな理由と背景
上下眼窩脂肪は、解剖学書やMRI等で確認して頂ければお判りになられると思いますが、眼球を上下から挟み込む構造で、特に下眼瞼眼窩脂肪は重力で比較的強く眼球底面と中隔隔膜を挟んで近傍に接しています。バセドー氏病ではこれらの眼窩脂肪が増大し、眼球を前方に押し出すことがあるため、目が飛び出たような表情になることが知られていますが、脂肪溶解注射を眼窩脂肪に注入すると想定以上に腫脹や分解熱を発して圧が逃げず眼球を押し潰し、失明するリスクがあるのです。尚、経結膜脱脂術等では、術後に血種が生じても脱脂孔から流出するため、寧ろ脱脂術の方が安全なのです。
目の左右差、外反、閉眼障害を治したい!
症例① 30歳 女性
他院手術歴 25歳時:大手有名美容整形医院で 両瞼下眼瞼脱脂術+埋没法(2点固定瞼板法) その後すぐにラインが不安定になり、個人医院で2回目の埋没法を受ける 28~29歳時:やはりラインが不安定になり、それまでの埋没糸を全て抜去して他の個人医院で再々度埋没法 (LS法)を計3回受ける。 最後の手術時に上眼瞼脱脂術も併用される |
希望デザイン 何度埋没手術を受けても二重ラインが定まらなく、脱脂したのに眼の下のクマも改善し切っていないのを最後の手術のつもりで新しい技術に賭けたい。 |
方法 1回目:2011.2.4 両瞼 目尻切開LEVELⅢ&下眼瞼タルミ切除&再脱脂術 2回目:2011.7.8 両瞼 上眼瞼マイクロ切開再脱脂術&他院糸(LS法の糸)抜去&新挙筋法2針4点固定法 3回目:2011.10.7 両瞼 残存他院糸(LS法の糸)抜去 ※その後2021年11月に至るまで上下瞼の問題が一切生じていない。 |
Dr.コメント 瞼板法を何度受けても、(瞼板法の一種の横幅リーチが長い)LS法を3回受けても、更に脱脂を受けても二重ラインが定まらなかった方です。一方で下眼瞼脱脂を受けても目の下のクマも改善され切らずに当院で決着をつけるため御来院されました。当院で2回目の手術の際にLS法の糸が何本残っているのかが不明だったので、脱脂のついでに2本ずつ抜去しましたがまだ左右1本ずつ残っていた様で、後日残りの糸も全抜去しました。すると、その残っていた糸が新挙筋法の開眼効果の妨げになっていた様で、抜去と同時に瞼が大きく開くようになりました。上下眼瞼共に、前医での脱脂も不充分であったことが判りました。上下眼瞼の眼窩脂肪は他院で摘出歴があっても時折取り残しが見られます。 |
脱脂・眼窩脂肪注入手術でのNG例とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて
- 上下瞼に(失明リスクがある)脂肪溶解注射(メソセラピー)を薦められる
- 全切開法を薦められる or Roof脂肪除去や眼輪筋切除法を薦められる
- 切開瘢痕の直下の凹みにヒアルロン酸や脂肪等の注入を薦められる
- 希望していない他の手術や眉下・眉上切開等を強引に薦められる
- 眼瞼下垂(疑い)の病名を付ければ保険診療可能だと薦められる
- 脱脂した脂肪の量や数を術後に告知・供覧することを約束してくれない 等、どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!
症例② 30歳 女性
他院修正歴 29歳時:二重切開、目尻切開、タレ目形成(その後両側共に効果があまりなく、外反となってしまった。) 30歳時:目尻修正(1回目 両側)・目尻修正(2回目 左側)・目尻修正(3回目 右側) 30歳時:(※当院目尻修正後)他院で経結膜下眼瞼脱脂術⇒(過剰摘出)により眼球位置異常を発症 |
希望デザイン 他院で下眼瞼脱脂後 眼球が奥に入り込んだ様に感じ、眼球が動かしにくくなった。焦点が合いにくく、痛みと嘔気を伴ってきた。眼球を上方・前方に出す方向で復元したい。目尻は目の大きさを維持したままでの外反の治癒をご希望。 |
方法 眼瞼形成術後修正( 下眼瞼脱脂術後の修正 ) 1回目:目尻特殊修正手術 2回目:下眼瞼眼窩層への脂肪注入 |
Dr.コメント 下眼瞼眼窩脂肪過剰脱脂の典型例です。眼球の協調運動が阻害されて特に下方を向くときに焦点が合わず、慢性痛と嘔気が続き放置すれば視力障害のみならず階段での転落や交通事故等も起こっていたかも知れません。この症例は当院で目尻修正手術後に他院で脱脂して、下方三白眼と焦点の異常がありすぐに経過を見ることができたので、間に合いました。 |
脱脂術や瞼への脂肪注入で失敗されるとこうなります!
上眼瞼では過剰脱脂によりクボミが生じることがあり、下眼瞼で過剰脱脂されると眼球のクッション性が損なわれて眼球の協調運動障害や運動時痛が生じることがあります。ハムラ法や裏ハムラ法では、剥離範囲が広くクマの位置に下眼瞼眼窩脂肪が適切に移動できないこともしばしばあり、却って凸凹になることもあります。上眼瞼が窪んでいるからと言って、安易に脂肪注入をしてしまうと今度は開眼障害や怖い目つきになることもございます。
症例③ 55歳 女性
他院手術歴 51歳時:フェイスリフト&下顎脂肪吸引&上眼瞼陥凹部に脂肪注入したがその後、上眼瞼が腫れぼったく瞼が開きにくくなったため、同じ医院で上眼瞼タルミ切除術を受けた。 |
希望デザイン 前医で受けた手術の後、それまで以上に開眼度が低くなり、見た目も腫れぼったいのが残っているのが4年間ずっと気になっていたので、他院修正の実績が多数あるこの医院で手術する機会に、開眼度UPと腫れぼったさの解消と、特に三角に見える左側の二重ラインを自然で丸みのあるラインにしたい。 |
方法 眼瞼形成術後修正(眼瞼脂肪注入術後の修正) 両眼マイクロ切開脱脂+新挙筋法(1針2点固定)+目の下のクマに脂肪注入(プレミアム1本) |
Dr.コメント 上眼瞼が窪んでいるからと言って、脂肪注入は安易すぎます。鶴瓶さんやあらぽんさんの様な腫れぼったい瞼になりたい場合は別ですが、一般的に瞼が重くなり開眼しづらくなるのが充分に予想されるからです。上瞼が窪んでいる場合には、当院では新挙筋法の技術を駆使してタルミをそのスペースにうまく収納させて、タルミもクボミも多重ラインも眼瞼下垂も左右差も三角睫毛も同時に治してしまいます。瘢痕解除に加えてこの様な技術は、当院発祥にして他院では不可能な施術となっています。 |