シリコン・生食バッグ・Filler注入がダメな理由と背景
どんなに精巧で最新のシリコンプロテーゼでも生理食塩水バッグでも、異物は人体に挿入後数ヶ月から数年を経て遅延型異物応答反応と呼ばれる線維化・肉芽化・石灰化が生じてきます。するとやがてバストの変形・硬化・内部破損・慢性の発赤・引き攣れや感覚障害・表皮穿破や露出等の後遺障害となって、更に時間が経つ程に難治性へと移行してゆくこともしばしば見受けられます。豊胸目的のヒアルロン酸やSub-Q(サブキュー)、アクアフィリング等のFiller注入は手技が比較的容易であり、低時間コストで経験の浅い医師でもできますが、その修正はかなり困難です。プチ豊胸を受ける意識と金銭ハードルが低いのですが、一時的に満足する結果が得られたとしても今度は麻薬中毒の様にやがて注入し続けなければ却って不自然に凹む胸や張りが無い胸となり、生じうる合併症の程度も頻度も全く釣り合わないくらいに深刻になるのです。
症例① 44歳 女性 52.9kg
他院手術歴 34歳時:大胸筋下層へシリコンバッグ 各250cc挿入 43歳時:シリコンバッグ抜去+Sub-Q注入 |
希望デザイン 美しく自然なバストを希望。特にシリコンバッグ抜去後から右胸の外側に凹んだ線状の引き攣れが残ったのも治したいし、胸の中にSub-Qが残っていたら取り除いて欲しい。 |
方法 1回目:残存Sub-Q除去(穿刺&特殊治療=Closed被膜解除)&プレミアム☆脂肪注入(右350ml 左340ml) 2回目:再生医療による豊胸術フルプレミアム☆フルセット注入(右300ml 左330ml) バストサイズ:T82.0cm U70.6cm→T87.5cm U70.8cm |
DR.コメント この症例は両側バスト内にSub-Q(サブキュー)と被膜の残存が見受けられ、特に右下~外側にかけての拘縮による段差が認められていましたので、先にシコリ除去と被膜解除を行いました。Sub-Qそれ自体は不溶性のもので穿刺でしか除去できないことが多いですが、自己組織による豊胸術との相性が悪くやはり可及的に取り除いておかなければなりません。注入脂肪がFillerに混入するとそれだけで壊死発症やシコリの再発を誘起しかねないからです。このケースでは皮膚の伸展度にそれ程恵まれていないのと、内側の被膜は解除しても再発の恐れがあったため、2回に分けて(2回目は再生豊胸でしたが)バストを形成しました。当院で手術を引き受けた後の術後のシコリ等の合併症が発症した場合には、全例無料アフターケアでフォローしています。 |
豊胸手術分野でのNG手術とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて
- 一生涯傷跡が目立つ乳房下縁切開や乳輪周囲切開を薦められる
- シリコンプロテーゼや生理食塩水バッグ等の異物を第一に勧められる
- シリコンなどの異物挿入と脂肪などの自己組織注入を同時に行う
- ヒアルロン酸やアクアフィリング等のフィラー注入を勧められる
- 異物抜去層と同じ層に脂肪や幹細胞などの自己組織を注入される 等、どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!
症例② 38歳 女性 43.3㎏ 授乳歴あり
他院手術歴 28歳時:両側 大胸筋下層へコヒーシブシリコンバッグ 各180cc挿入 29歳時:両胸とも被膜拘縮が生じてオープンカプストロミーを受けるも改善せず 31歳時:シリコンバッグ抜去 37歳時:両側に約100㏄のヒアルロン酸注入 |
希望デザイン 余分な脂肪をなくして今までのコンプレックスであった胸の改善をしたい。 |
方法 穿刺&特殊治療&再生医療による豊胸術フルプレミアム☆フルセット注入 注入量:右・310ml 左・339ml バストサイズ:T72.0cm U65.8cm → T76.7cm U65.8cm |
DR.コメント 2013年の症例ですが、この方は東北地方お住まいで遠方のためか手術日以外に術後の生着維持療法(経過診察も兼ねる)を1回しか御来院されなかった方です。ただでさえ皮膚の伸展度が良くなく、両バスト内部の被膜が真空パックの様に癒着していて生着条件にハンデがあるので、寧ろ術後の維持療法で少しずつ皮膚を柔らかく伸ばしつつ脂肪幹細胞を生体内で増殖させることができれば(事実過去の全症例の平均値では術後2回以上の維持療法をされた方々のバストサイズが、手術7日後のバストサイズよりも大きくなっている当院実績DATAがございます)、乳房下縁ラインの丸みもボリュームアップも図れたのではないかと考えられます。或いは万一のシコリの再発等の合併症のアフターケアも無料ですので、モニター契約もしているからこそできれば御来院された方が(交通費以上の)特典が多いです。コロナ禍前は中国人やアメリカ人でも最低3ヶ月間は御来院されています。 |
ヒアルロン酸等の豊胸Filler注入で失敗されるとこうなります!
豊胸目的でのヒアルロン酸やアクアフィリング、Sub-Q等のFiller注入は、ヒアルロニダーゼ等の溶解系注射でも溶解できないかFillerの材質によっては全く無反応のこともあり、元の健全なバストに戻すのがかなり困難になることもあります。それが難治性のシコリになると、大学病院でさえ乳房内腫瘍疑いという病名をつけ、乳房を大きく切開して内容物掻把(中を開けて掻き出すこと)でなければ治せないと(即ち他に方法が無いと)言われることも多く、しかしそれでも決して100%の元の状態には戻せません。傷跡が目立ち、乳房が凸凹になり、下垂が生じ、左右差も出てくる上に、授乳機能障害や慢性の乳腺炎になることも覚悟しなければならなくなります。当院では、Filler等の注入系異物による豊胸後のトラブルに対して、第一に(メスを用いない)穿刺排出を試み、可及的に異物を取り除く技術があり、その後残存するシコリや凸凹等に対しては特殊な治療法で(仮に数回かかっても)根治を目指せる新治療法がございます。穿刺排出のみでは困難な場合には傷跡が目立たない位置からオープンカプスレクトミーを行います。
症例③ 33歳 女性 48.9kg
他院手術歴 23歳時:両バストに各々約250㏄のシリコンバッグ挿入 その後触れた感じが不自然になった 26歳時:シリコンバッグ抜去し、同時にSub-Q注入 |
希望デザイン 現在使っているブラジャーのサイズがCカップだが、それ以上にできるだけ大きくしたい。 |
方法 1~3回目:両側しこり治療 被膜線維溶解注射(右計3回 左計1回) 4回目:再生医療による豊胸術フルプレミアム☆フルセット注入 注入量:右・380ml 左・382ml バストサイズ:T79.5cm U70.0cm→T82.0cm U67.5cm |
DR.コメント この症例は皮膚の伸展度に比較的恵まれていましたが、やはり両バスト内にシコリが複数残存していたため先にしこり治療を優先してその後再生豊胸を計画しました(デザインは豊胸術時のデザインです。尚、上腕は吸引部位のデザインです)。多少左右差があり谷間が解離していて両側デコルテにも肋間部陥凹が認められたため、オーダーメイドデザイン注入を施しています。尚、御本人によると術前のバストサイズがCcupであるとの御自覚でしたが、厳密には(79.5-70.0=9.5cm<10㎝であるため) AAcupになります。術後は(82.0-67.5=14.5cm<15㎝になったため、まだBcupですが術前後では2cupUPとなっています(恐らく御本人の御自覚か装着ブラジャーサイズはEcupくらいでしょう。平成以降の主流下着メーカーは、バストを寄せさせて平均2cup程度水増しするブラジャーを製作しています)。しこりがあった分、生着条件が多少不利だった割には当院での1回あたりの手術による平均的な結果(約2.5cup UP)が得られています。 |