目の大きさの左右差の原因は、ほぼ上下瞼の形状の左右差です!
日本人の成人女性の眼球の直径は23~24㎜、瞳(黒目)の直径は11~12㎜と言われています。器質的病変の無い殆どの方の眼球の大きさには実は差がありません。個性は形には宿らず、せいぜい瞳の色や白目の色調に見出せるくらいです。魅力的な目や怖い目つきなど、目の表情を司っているのは上下の瞼の形状ですので、目の大きさに左右差がある場合も例外なく原因の大半は上下の瞼の形状にある筈です。
しかしながら一言で「上下瞼の形状」といっても、㎜単位の厚みしかない瞼の形状は千差万別です。モウコヒダを含む皮膚・皮下脂肪層・眼輪筋と筋膜・眼窩脂肪と隔膜・挙筋と挙筋腱膜・ミューラー筋・Roof・瞼板・結合組織・睫毛など、それを構成する組織の形状や大きさのみならず、瞼は立体構造物であると当時に動的に変化する4Dの次元を持ちます。二重ラインの幅や形にもある程度個性があり、眼球が前方に突出している等の眼窩骨との相対的な関係や眉や鼻スジとの配置でその人の顔の特徴が決定づけられる側面もあります。似顔絵師が目の大きさをデフォルメ(強調)して人物画を描いたとしても、その人の特徴的なパーツの配置関係だけは決して崩しません。
目の大きさ・形の左右差を解消したい!
症例① 26歳 女性
他院手術歴 19歳~25歳までの間に計3院(延べ4院)の有名美容整形外科医院で、計4回の埋没法(内3回が2点固定瞼板法で1回が非切開式の眼瞼下垂手術)を受け、1度も埋没糸を抜去していない。 25歳時:涙袋にヒアルロン酸注入 |
希望デザイン 瞼に残っている過去の埋没糸を全部抜いて欲しい。いつまでも治らない瞼の左右差と三角形の目の形を解消することに決着をつけて欲しい。 |
方法 両側 埋没糸全抜去+新挙筋法2針4点固定法(左右で異なる挙筋度) |
Dr.コメント 開眼度の左右差に加えて眉-目間の距離にも左右差が認められ、クボミとタルミが左側が優位であると同時に目の形(睫毛の形)も三角形に見えます。前医で(瞼板法の)埋没糸をランダムに過剰挿入されていることが却って開眼度の妨げになっていることもあり得ます。 この症例の場合、瞬きの機能は十全であったので前医の埋没糸を全抜糸してリセットし、当院オリジナルの新挙筋法のみで上記問題点と御希望全てを一挙に解決するためのオーダーメイドデザインを施しました。クボミにタルミをうまく収納させつつ内外側の挙筋腱膜ブランチも挙上させて三角睫毛をアーモンド形にコンバートしながら、眉-目間距離を(左右異なる挙筋度=瞼の折り畳み度で調整)縮めて整えました。 |
目の大きさの左右差を手術で解消するには実は様々な技巧を要します!
開眼時の目の大きさの左右差がある場合、(たまにメールでご自身の写真を添付されてご相談される方もいらっしゃいますが)どの部位にどの程度の左右差があるのかを仮に写真で捉えたとしても、実はデザインや手術方針は全く定まりません。もしも写真を見ただけで「手術で絶対に治せます。」という医師がいたとしたらその言動は詐欺師に近いと思います。御本人様の瞼を触診したり専用のブジ―等でシミュレーションしなければ、皮膚のテンションや厚み、開閉眼の自由度や術後の予後の状態を推し量ることができません。
しかも当院は上眼瞼に関しては全切開を用いません。全切開をしてしまうと瘢痕が目立ち却って開閉眼障害を併発してしまうことが多いからです。瞼のクボミ・タルミ・多重ライン・睫毛の形・眼瞼下垂の有無と程度・眉や鼻スジとの位置関係・開眼度など、個別の左右差の原因と多彩な技術の組合せで必要かつ充分な4Dデザインを施し、最少リスクとコストでその人だけのオンリーワンの手術をいつも心掛けています。
症例② 29歳 女性
生来の目の大きさの左右差
他院修正歴 左側埋没法(2点固定瞼板法) |
希望デザイン 目の大きさの左右差がずっと気になっていて、以前左側だけ埋没法で改善を試みたが自分には合わず、その後糸を抜糸した。目頭切開は両目の間が狭いのでこれも自分には向いていないと考えて、目尻切開で調整するしかないと考えた。タレ目にはしたくない。あくまでも目の大きさと形の左右差を改善したい。 |
方法 左側のみ 当院オリジナルデザイン目尻切開 LEVELⅢ |
Dr.コメント この症例の目の大きさの左右差の原因は、主に下眼瞼側の要因であったため上記方法の適応となりました。左下眼瞼が右側と比較してせりあがり、目尻側の白目の見える面積も比較的狭小であったことと御本人様が術前から充分に考慮されていて当初から目尻切開を御希望されていたこともあって、必要かつ十分の切除デザインを施しました。尚、当院の「目尻切開 LEVELⅢ」とは、外交連を数㎜切断して下眼瞼外側をフリーにさせ、下眼瞼縁外側に曲線を含む適度な切除予定三角形をデザインすることで、(外方向にも斜め下にもグラマラスにも)ある程度自由に調整可能なほど高いオーダーメイド性が実現できるオリジナル技法の目尻切開です。 |
瞼が窪んでいるから→注入
瞼が弛んでいるから→切除
は短絡すぎる思考です!
瞼のクボミは生来の遺伝的要因で成人期前後でも生じることもあり得ますが、多くは加齢現症です(遺伝的要因でさえヒアルロン酸や脂肪等の注入法が正解であるとは限りません)。 クボミが(コンタクトレンズやアトピー性皮膚炎等の慢性的牽引や擦過も含む)加齢現症であるからこそタルミも同時に生じている場合が多く、その場合はタルミをクボミに収納させるだけで一石二鳥に解決するばかりか、開眼度もUPします。(中等度以上のクボミの症例で例外的に適量を注入した方が挙筋腱膜の「滑車の原理」で開眼度が改善する場合も勿論ございます。)
症例③ 24歳 女性
他院手術歴 22歳時:左眼瞼下垂手術 |
希望デザイン モウコヒダが突っ張っていて目の開き具合が悪いのと、眼や睫毛の形に著しい左右差(特に左側の睫毛が三角形で、眼瞼下垂の手術でもうまく治らなかった)があるのを治したい。 |
方法 両側 上眼瞼マイクロ切開脱脂術+オリジナル目頭切開 LEVEL3(左右で異なるデザインのオーダーメイドZ形成皮弁法)+新挙筋法2針4点固定法(左右で異なる挙筋度) =(当院定義の)デカ目形成LEVEL5 |
Dr.コメント この症例の目の大きさの左右差の原因は前医の手術と蒙古襞と上眼瞼の厚みの差であり、その結果として二重ラインと開眼度に顕著な左右差が認められています。上眼瞼脱脂量を微小調整(右側>左側)しながらも左右異なるデザインの(傷跡が目立たない様な手技で)完全オーダーメイドZ形成皮弁法と、これも左右で異なる挙筋度の新挙筋法を組合わせて、開眼度や眉-目間距離、瞼の厚み、内眼角の形、睫毛の並びや重瞼ラインの形と陥入度の左右差改善も全て計算に入れています。「個別の左右差の原因と多彩な技術の組合せで必要かつ充分な4Dデザイン」の典型例です。 |
瞼の形成手術でNG例とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて
- 切開法を勧められる or 瘢痕修正目的で切開や切除法を勧められる
- 切開瘢痕直下のガタガタ線や凹みにヒアルロン酸や脂肪等の注入を勧められる
- 希望していない方法や別の手術を勧められる
- 眉下・眉上切開等を他の選択肢を与えられず勧められる
- 眼瞼下垂(疑い)の病名を付ければ保険診療可能だと勧められる
- 瘢痕治療にステロイドや脂肪溶解注射(失明リスク有)を勧められる 等、どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!
瞼形成手術で失敗されるとこうなります!
切開法による二重形成術後の切開瘢痕を、再切開や余剰皮膚の切除、ヒアルロン酸や脂肪の注入等で施術すると担当医に説明されても、或いはその担当医がどんなに名医で有名でも、過去の症例実績がどれほど素晴らしく自然で美しく見えたとしても、決してその様な手術は受けないで下さい。
名医の術後でさえ当院で眼瞼下垂治療後の修正をした方の中には、左右差が悪化するに留まらず開閉眼障害や兎眼、三角睫毛、三白眼、瞼の引攣れ、不自然またはガタガタしたライン、を起こした方等が数多くいらっしゃいます。それは、その医師の責任であることは勿論ですが、(特にその医師がそれしか知らないか信奉している)手段や方法自体が古いか間違っているからです。