まぶたが腫れぼったくても脂肪溶解注射がダメな理由と背景
上下眼窩脂肪は、解剖学書やMRI等で確認して頂ければお判りになられると思いますが、眼球を上下から挟み込む構造で、特に下眼瞼眼窩脂肪は重力で比較的強く眼球底面と中隔隔膜を挟んで近傍に接しています。バセドー氏病ではこれらの眼窩脂肪が増大し、眼球を前方に押し出すことがあるため、目が飛び出たような表情になることが知られていますが、脂肪溶解注射を眼窩脂肪に注入すると想定以上に腫脹や分解熱を発して圧が逃げず眼球を押し潰し、失明するリスクがあるのです。尚、経結膜脱脂術等では、術後に血種が生じても脱脂孔から流出するため、寧ろ脱脂術の方が安全なのです。
瞼の左右差、厚み、開眼障害を治したい!
症例① 22歳 女性
他院手術歴 21歳時:両瞼 埋没法(3点固定 瞼板法) |
希望デザイン 目と目の間の距離を狭く見せたい。丸みのある平行型で目尻を少し下げつつ二重幅を少し広くしたい。腫れぼったい瞼も目の大きさの左右差も改善したい。 |
方法 眼瞼形成術後修正(他院術後の腫れぼったい瞼修正) 両側 上眼瞼マイクロ切開脱脂術+新挙筋法(2針4点固定) |
Dr.コメント 一見すると瞼の腫れぼったさの程度が術前後で変化していない様に見えるかと思いますが、実は脱脂したスペースに上瞼のタルミをうまく収納させて開眼度をUPさせているため、その効果で変化が相殺されているのです。でも効果の違いが判るもう一つのポイントがあります。それは眉と目の間の距離が術後に縮んでいることと瞳の輝きが増していることです。術後は(メイク無しでも)目が華やかに大きくなります。 |
眼窩脂肪脱脂手術でのNG例とは?
※ページ最下段 美容整形Dr.選びのNG例とは?に加えて
- 上下瞼に(失明リスクがある)脂肪溶解注射(メソセラピー)を薦められる
- 全切開法を薦められる or Roof脂肪除去や眼輪筋切除法を薦められる
- 切開瘢痕の直下の凹みにヒアルロン酸や脂肪等の注入を薦められる
- 希望していない他の手術や眉下・眉上切開等を強引に薦められる
- 眼瞼下垂(疑い)の病名を付ければ保険診療可能だと薦められる
- 脱脂した脂肪の量や数を術後に告知・供覧することを約束してくれない 等、どれか一つでも当てはまれば申し込まずに思い留まって下さい!
症例② 22歳 女性
他院修正歴 21歳時:埋没法(2点固定 瞼板法) |
希望デザイン 前医での埋没ラインに左右差があり、形も気に入っていないので改善して幅の狭い平行型のラインにして欲しい。 |
方法 眼瞼形成術後修正(他院術後の腫れぼったい瞼修正) 両側 上眼瞼マイクロ切開脱脂術+新挙筋法(2針4点固定) |
Dr.コメント 目の開きが大きくなるだけでもパーツが大きくなる分、相対的(視覚的に)小顔効果があります。そして目頭のライン幅を少しだけ太く、目尻側のライン幅を少しだけ狭くするだけで、視覚的な目元の印象変更効果があります。また、脱脂したスペースに上瞼の僅かなタルミを収納させて開眼度も少しUPさせているため、周囲に気付かれにくい修正を御希望の方には、この程度でも調整は可能です。(御本人にオーダーされてという条件ですが)微細なデザインの方が実は㎜以下の精度が要求される難しい技術です。 |
上眼瞼脱脂術で失敗されるとこうなります!
上眼瞼では眼窩脂肪の過剰脱脂または新挙筋法をセットにしなければやがてクボミが生じることがありますが、安易に脂肪注入してはなりません。一方、上眼瞼が腫れぼったいからと言って、医師がRoof脂肪除去や眼輪筋切除法を薦めても絶対にしないで下さい。二重ラインが凸凹になり開閉眼障害や修復困難な線維化や癒着が生じてしまうことがあります。
症例③ 31歳 女性 アイプチ歴:約9年
他院手術歴 21歳時:埋没法(2点固定 瞼板法) ※その後すぐにラインが取れて再手術するも1年以内に元に戻ってしまった。 |
希望デザイン 以前、他院で受けた埋没法は安定せずラインが取れてしまったので、アイプチに頼っていたが今度はアイプチかぶれが生じてきたのとメイクに時間がかかるので、安定したラインにして決着をつけたい。丸みのある二重ラインの可愛い目にしたい。 |
方法 眼瞼形成術後修正(他院術後の腫れぼったい瞼修正) 両側 上眼瞼マイクロ切開脱脂術+新挙筋法(2針4点固定) |
Dr.コメント 中国の一流彫刻家は、龍を彫刻する前の大木の中に既に龍を見出していると言います。一方で韓国の目のパーツ専門美容外科で受けた複数の女性が異口同音に、モニター写真にそっくりな目になったと言います。前者は唯一で個別的、後者は普遍で定型的ですが、美容整形で決定権を持たなければならないのは我田引水の強引な医師でなく貴方自身です。そして美容外科医の役割は貴方のご希望に忠実で貴方自身に内在する個性の美を見抜いて発掘するだけなのです。 |